覚悟の瞬間(とき)

特定非営利活動法人 LGBT就業環境整備協会 代表理事 西嶋博孝
にしじまひろたか

西嶋博孝

栃木県生まれO型
職業:特定非営利活動法人 LGBT就業環境整備協会 代表理事
趣味:真冬の北海道で白銀のドライブ。 ベンチャーズバンド。
座右の銘:神は細部に宿る

1976年生まれ。幼少期は奇異な行動の数々でいじめに遭うこともあった。学生時代は音楽に没頭。上京後も、生活費を除くアルバイト代はほぼ音楽機材に。1995年、初めてパソコンに触れ、パソコンで曲作りを始めるが、プログラミングに興味を持ち始める。計測器ショップの店員やホームページ制作のアルバイトを行いながら、夜間の大学へ進学。東京電機大学を卒業後、SIerに入社し、生産管理・生命保険・施設管理などのシステム開発に従事。システム会社へ転職し、ITコンサルティング、システム開発、エンジニア派遣などの業務を担当。自身の性的マイノリティを隠し続ける生活に嫌気が指し、MtFとしてフルタイムの生活を始める。それが原因で退職。自分らしい生き方を求め、2012年に株式会社バイモソフトを設立し現職。LGBTが生き生きと仕事ができる環境を作りたいと思い、2018年、特定非営利活動法人 LGBT就業環境整備協会を設立。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

「LGBTの人たちが、生き生きと働ける環境をもっと増やしたい」私はトランスジェンダーとしてフルタイムの生活をするために7年前に起業しましたが、最近ではダイバーシティの考えも浸透し、企業の中でも働ける環境が徐々に整ってきていると思います。でも、まだまだ課題は多い。偏見やハラスメントの問題意識は広がってきているものの、職場の男女慣習や物理環境、当事者の意識の部分など「働きづらさ」への対策は不十分。当事者との接点に戸惑いを感じる非当事者も増えてくるでしょう。私は、約20年間、IT業界で仕事をしてきましたが、これからはモノ作りだけでなくITを活用して、LGBTがもっと働きやすい環境や機会を増やしていきたい。そう思うようになったことが、この仕事を始めたきっかけです。

現在の仕事への想い

人のために何かをすることで、結果的にそれは自分に跳ね返ってくるものだと思っています。起業をして間もない小さな会社では、お客様も決して大企業では無いことがほとんどです。自分の財布で商売をしている社長を相手にするのです。そこには「きちんと仕事をしてくれれば他は何でも良い」そのような気持ちがあると気づきました。トランスジェンダーの私に仕事を出してくれるのですから、「お願いして良かったと思ってもらいたい」そういう思いも強くなりました。これからもこのスタンスは崩さないで行こうと思っています。

あなたにとって覚悟とは

守ろうと思っている何かを捨てる瞬間だと思います。恐ろしいと感じる何かに対峙する瞬間、大きなリスクを取ろうとする時も私にとって覚悟が必要なときです。例えば、「スカートを履いて出社したとき」「上司と対峙した時」「上司に土下座を要求され皆の前でそれに応じた時」それぞれ覚悟を決めた瞬間でした。土下座の時には、非常にプライドが傷つき、自分自身を全否定するような酷い気持ちでした。とても恥ずかしかったことを覚えていますし、それまで頑張ってきた自分に本当に申し訳ないとも思いました。その後、会社を去りましたが、よく思われたい見栄や不必要なプライドを捨てることが出来たことで、それまで持ち合わせていなかった誇り(プライド)を手に入れることが出来たように思います。その後すぐに独立しましたが、会社を起業するのに全く覚悟はいりませんでした(笑

カッコイイ大人とは?

ギャップを感じるときにカッコイイと感じます。「え?この人にこんな一面があったんだ」と思う瞬間でしょうか。社会的に自立をしていたり、多くの人に好かれていたりすることはすごい事だとは思いますが、カッコいいとは感じません。そういう人が挫けそうになりながらも必死にがんばっている姿を想像すると、素敵だなぁと感じます。カッコつけていないのに、なぜかカッコついてしまう人。こんな人に憧れます。

今後に向かって

フォレスト・ガンプという映画に「メキシコの漁師とコンサルタント」の話が出てくる一節があります。私の解釈はおかしいかもしれませんが、私は遠回りをすることで今まで気が付かなかった夢を見つけることが出来たと思っています。そうして手に入れた夢は私の目標にもなりました。いろいろな道で拾ってきたものが結構役に立っています。今、大手企業ではCSRとしてLGBTへの取り組みも盛んになされるようになってきました。多くの先人の活動の賜物です。私たちもこの流れを追い風にして、大企業だけではなく、中小企業でも積極的なLGBT採用がされるように、もっともっと企業メリットを押し出していきます。そして一人でも多くのLGBTがありのままの自分で就業できる機会が増えれば良いと思います。これから歩む道で何が見つかるか分かりませんが、それを全て未来に役立てていきたいと思います。

若者へのメッセージ

ぜひ吹っ切れてみてください。自分が思っている恥ずかしい面、隠したい面をさらけ出すとスッキリします。良く思われたい気持ちを捨てるということかもしれません。私は赤面症でいつも顔を赤らめてオドオドと打ち合わせに望んでいました。ある日、顧客との打ち合わせで赤面症なのでと伝えたところ、全然顔赤くないですよ?と。化粧のファンデーションでわからなかったのですね(笑)バレていないと思ったら、顔が熱くなることも少なくなりました。心の状態がとても大事なんだなぁと思った瞬間です。どんなに小さくても、少しずつ「成功体験」を繰り返していくことが良いことだと思います。大きな壁に遭遇したらそれはレベルアップのチャンスです。プライベートでも、お仕事でも、本当の自分を隠さずに生きてみると、新しい発見がありますよ。周りの環境にも、心の中にも、揺ぎない自分の居場所を手に入れてください。

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