ファッションの勉強をするため18歳で来日。その後、日本国籍を取得し、接客業などを中心に様々な経験を積む。子育てとビジネスを両立し、来日する留学生や日本の物件購入を考えている外国人を支援するため、不動産業を興すことを決意。外国人客との売買を得意とし不動産を購入後のアフターフォローにも定評がある。台湾のオーナーへ日本の不動産を仲介し、海外からの留学生に賃貸物件や寮を紹介をするなど日本と台湾の架け橋となる業務を展開中。
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教育熱心な親に育てられた為、毎日バレエやピアノ、絵画等の習いことばかりの生活を過ごしていました。またタレント養成学校まで行かせられ、演技の勉強をして実際のドラマや映画の出演も経験しました。その分、小学校のころは撮影のためよく学校を休んでいて、友達と遊んだ記憶があまりありません。そして高校卒業後、ファッションの勉強をするために日本へ留学しました。そのころまでの私は何から何まで母が決めてくれた人生を歩んでいた様に記憶しています。日本留学すらも、自分の意思ではなく、母の決定によるものだったからです。ただ、そのきっかけはともかく、日本に来て初めて開放感と自由を味わいました。遊びたい時に遊ぶ、寝たいときに寝る、何でも自分で決められることが新鮮で楽しくてしょうがなかったです。毎日学校が終わったら、お決まりのお茶をして買い物をするなど、アルバイトもせずに親からの仕送りで生活をしていました。よく友達と遊んだり飲みに行ったり、生活には困らない楽しい留学生活でした。
卒業してすぐ結婚し、主婦になったものの残念ながら3年で離婚してしまいました。そのとき子どもがまだ1歳8か月。子どもの親権問題で、自分の親と大ゲンカして、親の援助を受けずに日本で一人で子どもを育てていこうと決めました。それからアルバイトや仕事を頑張っても、給料は親からもらっていた仕送りの半分にもなりませんでした。そのときになって初めて世の中の厳しさを知りました。学生時代から持っていたブランド品を全部売り、18歳のお祝いとして親からもらったロレックスの時計を質屋に入れ、一時期は生活保護まで受けました。貧しかったですが、「子どもと一緒にいることができる」、それでけで辛く感じることはありませんでした。子どもが小学校に入るまでに生活保護を抜けて自立しようと決意し、3年かけて生活保護を抜け自力で困難なく生活できるようになり、親からも認めてもらうことができました。そしてずっと日本で生活するのであれば、自分の家を持ったほうがいいと親が投資物件と私の住む物件を両方とも買ってくれたのです。そのころちょうど日本語学校に勤めていたのですが、留学生からは住まいのことについてよく相談され、親の友人からは投資物件の売買や管理などについてよく相談を受けていました。文化の違いで生じた誤解がトラブルに発展したケースが多くあったのです。そういった相談に乗ってあげているうちに、「在日の外国人や外国人の投資家に役立つ不動産会社をしたらどう?」と、親と友人に勧められたのが起業のキッカケです。
人生の中、様々な場面で決断のときが来ます。そこで覚悟をもって決めなければならないときがあります。子どもを産んだとき、産むと決めたらどんなことがあってもしっかり育てていくんだと覚悟を持つこと。起業するときも、中途半端な気持ちではなく、覚悟を持って取り込むこと。お客様のため、職員のため、社会のため自分に何ができるか常に考えなければならない。会社も子どもと同じでしっかりと育てていかなければなりません。どんなことでも、最後までその場で取り組むという責任感があれば、その覚悟もできるはずです。
弊社は一般不動産会社より業務能力が求められます。外国人のお客様が7割で、さらにその中の9割が台湾のお客様です。日本と台湾をつなぐ「安心」の不動産会社になるため、さらにサービス面を強化していきたいと思います。外国人売買に詳しい弊社だからこそ、今まで不動産購入をした後もお客様に満足なサービスを提供しています。一般不動産管理会社が考えられない、あるいはやらない業務、例えば光熱費、税金納付代行、非居住者日本国内振込、所得税申告等々のサービスは弊社にとって全部当たり前のような仕事です。一般的な日本人のオーナー様の物件を管理するよりはずっと手間がかかります。これは外国のお客様を相手に仕事するうえで当然持つべき覚悟の一つだと思います。サービス面だけではなくさまざまな工夫をして弊社の満室率は常に9割から満室を維持しております。最近空室に悩んでいらっしゃる日本人のオーナー様からの管理委託が多くなりました。東日本大震災のとき、1年半位は仕事になりませんでした。去年の10月からようやく事業も上り調子になって来たので、今は不動産売買の成約1件ごとに東日本大震災の復興支援活動に寄付させて頂くことにしています。微力ですが少しでも力になれたらと思います。これからも仕事を頑張って、事業の利益をいろんな形で社会にもっと還元したいと思っています。
人生で絶好調なときは来ます。同じく何をやってもうまく行かないとき、最悪な時期も来るでしょう。そこで諦めずに根気よく前向きに進めていけば、きっと何か良いことや、良いチャンスが巡ってくると思います。一度きりの人生ですから、全ての出会いを大事にして、悔いのない人生を思い切って頑張ってください。
腕時計が大好きでコレクションをしています。こちらのロレックスはコレクションの中で一番高値な訳ではありませんが、母からもらった18歳の成人祝いのプレゼントなので一番思い入れが強いです。
「素敵な靴を履くと素敵な所に連れていってくれる」と、マンガの「花より男子」のしずかさんが言ったセリフがイタリアの言葉のようで大好きです。私も良い靴は履き主を良い場所へ連れていってくれるものと信じています。