1960年、東京都生まれ。
‘84年成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。‘97年「池袋ウエストゲートパーク」で、第36回オール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。‘03年「4TEENフォーティーン」で第129回直木賞受賞。‘06年「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞。‘13年「北斗 ある殺人者の回心」で第8回中央公論文芸賞受賞。
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小学校2年生の時、テレビ番組「ウルトラマン」や「ウルトラQ]のような面白いストーリーが読みたくて近所の区立図書館へいきました。児童室で発見したのが1950年代のアメリカSF黄金期の作品の数々。夏休みに棚を一つ読み切って、作家になりたいと思うようになりました。7歳の夏でした。
小説は絶えざる綱渡りなので、途中で落っこちないで最後までなんとかたどり着きたい。それが一番大きな願いです。これはどんなに簡単そうに見える作品でも同じです。そのうえですこしでもよいもの、読者の胸に残るもの、さらに書いている僕が満足できるものになるように努力しています。でもまあ小説ですから肩の力を抜いて書いていきたいです。
自分の力を信じ続けること。なにがあっても最後まで書き切るのだという決心。それが作家の覚悟です。どんなにしんどくても、これまで何十冊も書きあげてきたのだから、きっとだいじょうぶ。生活上の諸問題はだいたいどうにかなるので、適当でいいと思います。ただしこの世界のために「よいこと」を書こうとは思いません。思想やアートで社会を改良しようという試みが歴史上幾多見られますが、その多くが悲惨な結果を生んできました。自分と精神的な遺伝子を同じくする少数の読み手のために書ければ、それで十分です。
懸命に努力をしながら、生きることを楽しんでいる雰囲気のある人がかっこいい大人です。だいたいぼくたち日本人は生きてるのがつらいといいすぎます。別に文句ばかりいうひとはかっこよくも賢くもありません。日本の小説の多くが生活のつらさと社会的承認を得られない恨み節が原動力になっています。仕事について恋愛や結婚について成熟することについて、大人は子どもたちに希望の形を示す必要があります。口先でなく生のスタイルで。大人のあなたに質問です。つらいこともあるけど、仕事はほんとにおもしろいよ。結婚して大正解だった。そんなふうに若者にいったことがありますか。
作家は最後の仕事で、この先はもうありません。定年も解雇も卒業もありません。ひたすら書き続けて、いつか書けなくなるまで机に向かうことになるでしょう。作家当人や作品の評価は他者がおこなうことなので、コントロールはできません。ただフルスイングを続けるのが目標です。ただし人生後半の30年に入りましたから、生活を楽しむことも大切だなと近頃は思っています。
世界は変化の時代を迎えています。それはあなたが坂道を駆けのぼる可能性も、転げ落ちる可能性も同時に存在するということです。今は力が足りずに不安かもしれませんが、人の輪を広げ、研究を続け、自分の武器を磨いてください。社会人になってからの勉強で人は差がつきます。毎日一時間はテーマを決めて、読書と勉強をしてください。10年後あなたは想像できないほどの高みに立っているはずです。本が読めない人は読書の訓練をしておくこと。それができないと、あなたが勝つ可能性は宝くじ並みになります。これは統計上ほぼゼロという意味です。
初代のカセットテープのころからのWalkmanファンとしては、やはり見逃せない。これはハイレゾも聴けるし、アルミ削りだしボディが手にずっしりしていい感じです。ぼくは80~90年代の洋楽懐メロを700曲くらい入れています。
英B&Wはスタジオ用モニタースピーカーの名門。聴く音楽を選ばない。ヘッドホンで低音の量感もたっぷり。黒いラム革の肌触りもよく、シックなデザインが大人向けです。