劇作家、演出家。ANDENDLESS主宰。全作品オリジナルの戯曲を執筆する傍ら、テレビ・アニメ等の脚本も手がける。2005年より5冊の戯曲を出版。近年には漫画原作も始まっている。
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幼少時代はスポーツ少年、家から帰るとバットとグローブを持って野球をしていました。とにかく、勝負事が大好きで、目の前にあるゲームが全てでした。小さいころからたくさんの野球少年と同じようにプロ野球選手になろうと本気で思っていました。
高校時代に新井素子さんの短編小説・「グリーンレクイエム」を読んで感銘を受け、思春期ならではの衝動でそれを舞台にしてしまいました。演出の仕方もわからず、脚本の書き方もわからないまま、当時手伝ってくれていた仲間を全員役につけ、一か月の猛稽古で大会にまで出てしまいました。それが初めて書いた戯曲まがいのものです。
その高校時代の作品を、日本大学芸術学部の教授に偶然見ていただいていて、推薦を頂きました。本当に運が良かっただけなのですが、それがなければ今の僕はありません。
劇団を立ち上げ、順風満帆に観客動員を増やし、仕事も増え、ここからさらに展開を広げようとしていたとき、100人キャスト・スタッフを連れ地方公演を行いました。これが大赤字で、若干25歳の自分にとってはどうしようもなくて、笑うしかないくらいの足りない数字。この時に、傍にいる仲間・キャスト・スタッフと、「プロである事」を誓い合いました。そこからの毎日を、本当に真剣に生きていくんだと心に決めたのが、覚悟の瞬間です。
たくさんの人が舞台という公演に足を運ぶようにしたいです。例えば高校生のカップルが、初めてのデートで舞台を選ぶような、そんな集団でありたいと思っています。
歳を重ねていくと、小さな機微や地味だけれども味のある表現に行きがちだと思い、30歳の節目により攻撃的な作品を書いて行こうと思い、ピアスを開けました。自分にとってはとても記念のアイテムです。
脚本家としては致命傷なのだが、いつも筆が遅いので、あえて使うようにしています。かつての大先生が「はやく書け」と言ってくれてるようで身が引き締まる一品です。