1963年生まれ。大阪大学基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。京都大学情報学研究科助教授、大阪大学工学研究科教授を経て、2009年より大阪大学基礎工学研究科教授。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。2011年に大阪文化賞を受賞。また、2015年には、文部科学大臣表彰受賞およびシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞を受賞。2013年より大阪大学特別教授。主な著書に「ロボットとは何か」「どうすれば「人」を創れるか」「アンドロイドは人間になれるか」などがある。
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コンピューターを勉強をしたら、そうすると大体、人工知能のことを勉強したくなるんですね。人工知能の事を勉強しようとすると知能って何かと考えます。体がなくて脳だけで、コンピューターは賢くなるのか。人で考えたら、そうはなりません。だから、体の事を考えるとロボットの研究をしようという気になったんです。そういう意味では自然な流れでコンピュータからロボットまで研究していると思います。それの背景としては人への興味があったからです。だからこそ、こういった流れで研究を進めたのだと思います。人への興味は小学校5、6年生の時から持ちました。常に自分を少し引いた所から見る感覚があるんです。自分の体にリアリティーがない時があるんですね。そういった事から人とは何かと考えるようになったんだと思います。
生きる目的と研究は似ています。そこで一番大切なのは「バイアスがかかった物の見方をしない」ということです。私は人がこういったから、それを鵜呑みにしてベースに考えるのはしません。自分の中で、世界を再構築するのがすごく大切なんです。
自分とは何か知りたいというのが始まりです。人をすべて説明できる綺麗な論理は有りません。だからこそ自分で説明できるように理解を深める必要があります。理解を深めれば新しいロボットもでき、研究も進んでいきます。
本当に死ぬような目にあってる人って「死ぬ気で頑張る」って言った瞬間に死ぬキッテどれくらいかわかると思うんです。とてつもない努力ができるんですね。僕自身は追い込むタイプなので、「死ぬ気で努力する」と言った時は人より覚悟した努力ができるんです。
僕はロボットの研究をしてます。役に立つものは出てくるんですけど、特に社会に何かを残したいと思うのはロボットそのものではないんですね。ロボットを通して、人について深く考えるようになる事の方が大事だと思っているんです。人は「自分や人そのもののを考えるために、色んな技術をつくっているんだ」と理解してより進んだ技術や社会の中で自分はどう生きていくのかを考えていってほしいんです。そういう未来を創りたいと思ってます。
アイデアを書き留めるノート。常に持参しています。コクヨのCamiApp A5サイズを愛用。
SEIKOの電子インクを使った太陽電池で充電されるデジタル時計を愛用。腕には付けず、自作の時計バンドでズボンのバンドに取り付けています。