宮城県仙台第一高等学校卒業。 1997年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。博士(学術)。日本学術振興会の特別研究員となる。2000年より国立天文台理論研究部助手。2006年より国立天文台理論研究部准教授。 専門は惑星系形成論。理論とシミュレーションを駆使して惑星系形成の素過程を明らかにし、多様な惑星系の起源を描き出すことを目指す。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
幼い頃、自分の住んでいた家の近くで遺跡が発掘されたことがありました。「自由に掘ってもいい」という場所があったので、よくその遺跡に足を運んでは鏃や土器の断片、石器などを掘り起こしていました。「自分の家のすぐ近所にこんなに昔から人が住んでいたのか・・・」と感動したことを覚えていますね。ですから、この当時は考古学者になるのが夢でした。
子どものころから、人並みに星への興味はありました。星空を見て、「あの星座は何だろう?」と思って、本で調べたりする程度ですね。大学進学の時は、東京大学理科二類に合格し、入学してからは、天文学用のコンピューターを作る研究室に入ることになりました。学士が修了し、修士に進んだ時には、天文学用のスーパーコンピューターの作成をしていました。自ら回路の勉強をして、設計をして、パーツを購入し、それを組み立てて・・・。まさに「手作り」のスーパーコンピューターでしたね。天体の重力を計算する計算機を2年間かけて完成させました。その後、博士課程に進学してから現在の研究(惑星系形成論)を始めることになりました。
私は「好き」「知りたい」「不思議」という純粋な気持ちを行動の原理としています。「自分を使って、現場でそのものに触れながら知りたい」という気持ちが強いのです。この生き方を端的に格好よく表現しているのが、ダイビングの師匠が教えてくれた「探検は知的情熱の肉体的表現である」というものです。その言葉を教えてもらった時に「あっ、これだ!」と思いました。それ以来、この言葉のように生きていきたいと思うようになりました。
私が広い天文学の分野の中で研究の対象として惑星を選んでいるのは、やはり生き物に近いところで研究をやりたいと思っているからなんです。それは自分たちも含めて生命を、大きな宇宙の進化の中で理解したいと思うからです。つまり、自分たちの「起源」に興味があるのです。そして、自分たちの「来し方」を知ることによって、さらに「行く末」まで考えることができるようになるのではないかと思います。この大きな流れを理解したいと強く意識するようになったことが、私にとって覚悟の瞬間だったのかもしれません。
基本的な目標は、太陽系の起源を明らかにするということです。地球に限らず、月や土星の環も含めて、太陽系にあるさまざまな天体がどのようにして生まれ、どのように生きてきたのかを理解することを目指しています。そして、それを応用することによって太陽系以外の惑星もどのようにして生まれたのかを理解していきたいですね。そうすることによって、地球のような惑星がこの宇宙の中に他にあるのかを予言できるようになると思います。
人物、風景どちらも撮りますが、歴史的な建造物や場所を訪れて写真を撮ることが好きですね。
なぜかこのシリーズがずっと好きで、今まで何足も買い換えました。履き心地とデザインがなんともいえず、ツボなんです。