早稲田大学法学部卒業。弁護士。衆議院議員。2005年に初当選、現在2期目。党副幹事長、シャドウ・キャビネット法務副大臣。自民党福井県支部連合会会長。保守政策集団「伝統と創造の会」会長。著書に『百人斬り裁判から南京へ』(文春新書)『私は日本を守りたい』(PHP研究所)等。弁護士の夫と一男一女の子を持つ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
小さい頃から母に「運がいい子」と繰り返し聞かされていたので、今でも「私は運がいいから大丈夫」と信じている所があります。追い詰められたときには自分に言いきかせますね。両親に感謝しているのは、生活は裕福でなかったけれど毎日みんなで食卓を囲み、家族旅行にもよく行く温かい家庭で育ててくれたことです。勉強の出来が悪くても、母がいつも褒めてくれたことで自信がつきました。大学進学で上京し、全てが珍しく一人暮らしを楽しんでいました。私には一番困難なことに挑戦する、という無鉄砲なところがあって、4年生のときに弁護士になろうと思い立ち、司法試験に挑戦しました。最初の年に失敗すると、それからは1日16時間ぐらい勉強しました。一生に一度は、これ以上できないというぐらい勉強することがあっていいと思います。言い換えれば、勉強だけに打ち込んでいられるというのはとても幸せなことです。
司法修習生を経て弁護士になりましたが、私は政治にはまったく興味のない人間でした。結婚して大阪で独立開業した当初は、法律事務所は開店休業状態でした。2人の子供が生まれ、私は家にいて家事や子育てを楽しんでいましたが、時間があるので夫が購読していた産経新聞や雑誌『正論』などを読むようになり、雑誌や新聞に投稿を始めました。それがきっかけで、いわゆる南京大虐殺に関する名誉毀損裁判を手がけられていた弁護士の先生に、裁判を一緒に闘わないかと誘っていただきました。そして鈴木明氏の著書『「南京大虐殺」のまぼろし』に出会います。この本を読んだときの衝撃は今も忘れられません。虚偽の事実で処刑された2人の将校の立派な遺書を読み、日本人としてこれを放置しておくことは許されないと思いました。そして「百人斬り」報道名誉毀損裁判を闘うことになります。この本との出会いがなければ政治家になることはありませんでした。
2005年の夏、当時幹事長代理だった安倍晋三氏からの依頼で、自民党の勉強会で私が関わった裁判について講演をしました。その約半月後にかの有名な郵政解散があり、私は「刺客」として生まれ故郷である福井で選挙に出ないかと安倍氏から誘われたのです。父にもお世話になった先生にも「絶対反対」と言われ、私は迷いました。しかし私に決意させたのが夫の言葉です。「君がこの数年、法廷を通じてこの国を良くしようと頑張ってきたことは自民党の衆議院議員になることが一番の近道だ。選挙に落ちても何も失う物はない。一緒に福井に帰ろう」。この言葉で私は覚悟を決めました。
私が政治の世界に飛び込んだ理由、そして使命だと思っているのは、国家の名誉を守るということです。この国の子どもたちのためにも、政治家は正しいことを言う勇気を持ち、いわれなき、事実に反する非難から日本の国の名誉を守らなくてはなりません。そして安倍総理が掲げられた「戦後レジームからの脱却」です。自民党の立党宣言にある「占領政策で弱体化した日本をもう一度強くすること」を、もう一度我が党の旗印にすべきだと思います。それは日本が真の主権国家になるということでもあるのです。私は日本が目指すべきは道義大国だと思っています。人のものでも力尽くで奪う覇権主義の国でも、またどんな手段をとってでも豊かになった者が勝ちという拝金主義に毒された強欲資本主義の国でもない、高い倫理観と道徳的優位性で世界から尊敬され、頼りにされ、社会正義が貫かれた国を目指したいと思っています。それが政治家としての目標です。
政治家になろうと思ったことなんて一度もなかった私が、今こうして国会議員になっているわけですが、未だに自分には向いていないなと思うこともたくさんあります。ただ「人は自分がなりたいと思う以上のものにはなれない」のだから、できる限り目標は高く持つようにしています。そしてこれも母からの教えですが、「悪かったことが良かった。良かったことが良かった。」と、すべては良いことにつながっていると信じて、前向きでいることも大切にしています。そして、これまでいろいろな転機がありましたが、前に進むかとどまるか迷ったときには必ず「進む」ことを選んできました。決断しなかったことを後悔するより、行動して失敗するほうが良いと思うからです。若い方々には、自分を信じ、自分を助けてくれる人たちを信じて、前に進むことを恐れずに道を切り拓いていってほしいと思います。
福井出身の世界的なデザインディレクター川崎和男氏デザインのメガネ。アメリカ大統領選挙でサラ・ペイリン氏が愛用していたことで有名になったモデルです。アンテナショップ「ふくい南青山291」で購入し、愛用しています。
支援者からいただいた筆ペン。愛用品です。著書や色紙等にサインをと言っていただくことも多いのでいつも持ち歩いています。