the range design INC. 代表取締役 寶田陵
たからだりょう

寶田陵

東京都生まれO型
職業:the range design INC. 代表取締役
趣味:世界のホテル巡り
座右の銘:計画的な進化と予期しない化学反応

1971年東京都生まれ。日本大学理工学部海洋建築工学科卒業。(株)フジタ入社、計画設計部に所属し、その後設計事務所や大手ゼネコン設計部を経て、2016年に独立。ホテル、旅館、共同住宅、商業施設、オフィス等、幅広い分野で建築設計及びインテリアデザインを手掛ける。近年ではプロジェクトにおける企画プロデュースやデザインディレクション、家具や照明器具などのプロダクトデザインにも活動の幅を広げ、新しいライフスタイルを生み出す建築・空間づくりにチャレンジしている。2019年、『実測 世界のデザインホテル』を執筆。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

実家が建築金物の町工場を営んでいたので、毎日鉄の匂いの中で生活していました。小学生の頃から工場の手伝いをしていて、親父の描いた設計図を見ながら、鉄を切断したり曲げたり溶接したり塗装したりしていたので、何かをつくることが当たり前の環境であり、普段もダンボールを使って何かしら作っていました。そんな環境だったので中学生の時には建築系の大学に進学することを決めていました。大学で建築設計製図に初めて出会い、親父が描いていたゼロから図面をつくることの難しさを思い知るのですが、一方でゼロから発想する楽しさもそこで覚えました。大学時代は設計製図の課題とパン屋のアルバイトに明け暮れていたのですが、ある時毎日売れ残るパンを見て、これはどうすれば売れるのか?ということを勝手に考えてみました。そこで製図のように改良図面を描いて自ら焼いて店頭に並べてみたら、あっという間に売れて、気付いたらお店のNO.1ヒット商品になっていました。その自分が改良したパンを見て驚いて、目の前で嬉しそうに食べるお客様を見た時、自分のアイデア次第で人にこんなに驚いて喜んでもらうことができるんだ、という感覚を初めて体感しました。私の場合は、実家のものづくり環境とパン屋でのサービス体験が化学反応したのだと思います。だから『建築設計の中で独自のアイデアを使ったサービスをして、人に喜んでもらえる仕事をしていく』と決めたのです。

現在の仕事への想い

まず何かをする時に、これが仕事って考えたことがあまりないかもしれません。むしろライフワークというか、日々の生活においてこの瞬間や時間が仕事なのか遊びなのか、その境界線すらないかと思います。それだけ自分の好きなことをやれていて、それに毎日没頭できているということなのかもしれませんが、それだけではないと思います。よりよいサービスをする上で、日々の生活がヒントだらけなのです。何かを考えなければならない時に、その時その事だけを必死に考えても何もでてきません。常に何かを吸収し続けていたり考え続けていたりすることで、自分の引き出しにアイデアの原石が溜まっていくのです。その原石を必要な時に引き出しから出してその状況に応じた更なるアイデアを加えて変化させて、新しいアイデアとして世の中に提供していく。その結果、人に驚いて喜んでもらえるものを提供できれば、少しでも社会の役に立っていけると信じています。だから私は『毎日が仕事であり毎日が遊び感覚のシームレスな生き方』を続け、これからも新しいことをたくさん世の中に提案していきたいと思っています。

あなたにとって覚悟とは

45歳の時の独立起業ですね。45歳からの独立って、今まで積み上げてきたものを含めて一度白紙にすることになりますので、歳なりに自分が背負っているものを考えるとそれ相応な覚悟は必要になります。特に実家が自営業だったこともあり、一家を背負って仕事をしていた父親とそれをサポートしていた母親の大変そうな背中を見ていたからこそ、余計に覚悟は必要でしたね。それでも私は今までの自分の経験と能力を活かして、自分が創業する会社・代表になる自分の言葉で社会に発信し、それを具現化して社会に貢献したいという気持ちが強くなっていたので、覚悟を決めて独立起業しました。最初の1年はほとんど家に帰れず、事務所に寝泊まりしていましたが、自分のやっていることが自分の会社名と自分の名前で社会とダイレクトに接し、そのキャッチボールが何のフィルターもなく時には合格として帰ってくるし、時には不合格として帰ってくる。合格は自信、不合格は再努力、どちらの結果であれスピードを増して更に自分の力を強くしてくれることは間違いなく、それが会社やスタッフの成長に直結しています。独立後、自分が成長すればするほど社会に良いものを提供できるということを改めて再認識できたことが一番の成果です。

カッコイイ大人とは?

全ての職業に当て嵌まると思いますが、自分がやりたいことや目標としていることの諦めない姿を、子供たちに見せながら社会に提示している大人ですね。もちろんどんなにやってもいきなり達成できないことなんて多々あります。でもそこで諦めないで続けることの積み重ねが必ず次の何かに繋がり、やりたいことや目標に少しずつ近づきます。かっこいい大人って、皆そうやって地道に諦めない行動をとっていると思います。もっとかっこいい大人って、それに日々の自己研鑽力が備わっていると思います。やりたいことや目標を達成しても、もっとさらに上を目指す貪欲で謙虚な姿勢が想像以上に自分を高めることに繋がるし、自分にしかできないオンリーワンの力が備わり、その力は社会を大きく進化させていくことに繋がると思います。それが出来てる人って、人として本当にかっこいいと思いますね。自分もそこに少しでも近づきたいと思っています。

今後の展望

今までの自分の行動を振り返ると、その時の自分の置かれた環境にあわせて、こんなのがあったら行きたい・過ごしたいと思う場所をつくってきた気がします。20〜30代は家庭を持ったのをきっかけに住みたいと思う住宅を、30代〜40代は出張が多くなってきたのをきっかけに泊まりたいと思うホテル。自分の年齢にあわせた必要な施設に対して、今の時代にあわせた考え方や既成概念を取り払った考え方を取り入れて、新しい施設づくりをしてきました。40〜50代は、今までの住宅・ホテルの考え方を取り入れて更に進化させて、皆が行きたくなるような新しいスタイルの病院・高齢者施設を考えていきたいです。私にもいずれ必要になりますので。病院はできれば行きたくないし、高齢者施設もできれば入りたくない、ということではなくて、もっと楽しく行きたくなる病院や高齢者施設があれば、皆自然と足を運ぶのではないかと思いますし、皆が心から元気になっていくのでは?と考えています。

日本を背負う若者へのメッセージ

私は若者だけではなく、歳を重ねていたとしても、いつでも何でもできると思っています。私から皆さんに伝えられることはたった一つです。秀でていることでも他人にダメと言われることでも何でも良いです。自分が他の人と何が違うのか、そこを早く見つけて欲しいと思います。それは皆が必ず一つは絶対に持っている『個性』。そこに早く気づき、それを伸ばす環境に自らを放り込むこと。この個性こそ、後の『オンリーワン』を生み出す原点なのです。一人で優等生のように何でも出来るようにならなくていい。出来ないことは全くできなくてもいい。自分ができないことは他の秀でた人がそれを補い合う環境をつくれば良いのです。ただ、自分にしかできなことはとことんズバ抜けてほしい。大事なのは自分が何かの『オンリーワン』になることです。そのオンリーワンが集まってチームや会社を作ったら、日本はもっともっと面白くなっていくと思います。

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TAJIMAの5.0mコンベックス

工事現場での確認やホテルの客室スケッチする際に寸法を測るメジャー。TAJIMA製のスケールは巻き尺の剛性が強く、長い距離を測る際にフニャっと折れないのが気に入っています。