フォークソングとラジオの深夜放送、大阪万博に多大な影響を受けて育つ。高校在学中に笑福亭鶴光師匠に入門したが、のちに破門。その後、ライブ活動を始める。「嘉門達夫」の名はサザンオールスターズ桑田佳祐氏の命名。1983年「ヤンキーの兄ちゃんのうた」でデビュー。以降、「小市民」「鼻から牛乳」「替え唄メドレーシリーズ」などヒット曲を輩出する。1992年、NHK紅白歌合戦に出場。2007年には小説「た・か・く・ら」（扶桑社）を発表し2時間ドラマ化となる。2010年上海万博日本産業館応援団長に就任。近年では「アホが見るブタのケツシリーズ」「鼻から牛乳～キッズバージョン～」を発表するなど幅広い世代に渡って活躍中。
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初めて笑いをとったのは、小学校のお別れ会での漫才です。友達と発表したネタは大いにウケました。小学校6年生の時に、大阪万博が隣町で開催され、21回も行きました。僕は友達とパビリオンなどのバッチ集めに熱中し、そのバッチは今でも大切に額に入れ、自宅に飾っています。中学生になり、フォークソングと、ラジオの深夜放送に影響を受けながら育ちました。ラジオ番組にハガキを出すと、3枚に1枚は読まれるという程の「ハガキ職人」でした。別のクラスから「アイツが昨日、ハガキ読まれたヤっちゃで！」とヤジ馬さえも集めました。ラジオから流れるフォークソングにも興味をそそられましたので、ギターを入手し、オリジナル曲を作り、友達とカセットテープで「オリジナルアルバム」をクラスで発表したのが中学生時代の思い出です。また、近くの公民館でコンサートを立ち上げ、熱唱などもしました。
中学生の時に夢中で聴いていたのが、毎日放送ラジオ「ヤングタウン」という深夜放送でした。大阪府立春日丘高校に進学をしてからも、ますます強い憧れを抱くようになり、その魅力的な「タウン」の町の住人、パーソナリティになりたかったのです。高校在学中に当時ラジオの人気者でもあった笑福亭鶴光師匠に入門し、内弟子となりました。朝は師匠の子供が幼稚園に持参する弁当を作り、昼は師匠のお宅の掃除洗濯をし、夜は師匠の奥様がやっていたスナックでアルバイトをしました。また、ペットの猿の世話もしたりと、そんな弟子生活が5年程続きましたが、5年目で破門になり、その後、放浪の旅に出ました。スキー場でバイトしていた頃の曲を録音していたカセットテープから縁が生まれて、桑田佳祐氏のソロライブの前座をさせて頂いたりもしました。「嘉門達夫」の名は桑田氏が命名してくれたものです。
落語家を破門になり、大阪には居るに居られず全国を放浪していた際、スキー場でアルバイトをしていたのですが、スキー客の行動や言動を歌にしてライブをしている中で、今のスタイルの原型が出来ました。これからは歌で爆笑を取るパターンを確立させようと決め、大阪に戻りました。ちなみにギターは父が長野のスキー場まで持って来てくれ、受け渡すとすぐに帰って行きました。
さらに独自の世界を確立させ、生涯現役を貫くことが私の目標です。80歳くらいになってステージで「次の曲は『アンタの介護は受けたくない』です」なんて言う歌を歌いたいです。老人のリアリティーを歌えるところまで行きたいと考えています。
金銭的な事ではなく「豊か」な日々を過ごして下さい。また、追求と遊びのバランスとれた人生を歩んで下さい。
3年前から使っている特注ギターです。今まで数十本のギターを弾いてきましたが、このギターには心底惚れています。ギター作成スタッフのギターに懸ける愛情に感激しましたし、それが繊細かつ大胆な音に現れていたのです。このギターを弾いている時は楽しいし、良い音を奏でてくれます。
「愛・地球博」のバッチです。僕が小学6年生だった時、自宅近くで開催されていた大阪万博で集めたバッチは64種類で学校で3位、友達の高倉くんは101個で1位。その高倉くんは肺がんで2006年に他界。余命を宣告された彼を見舞いに行ったら、ひと言目に言われたのが「たつおー、万博のバッチ、どないしよー?!」でした。僕はのちに彼との日々を「た・か・く・ら」という小説にし、その表紙にはこれらのバッチをデザインしました。今もこの2つの額縁は自宅に飾っています。
