札幌市で生まれ育ち、釧路公立大学経済学部経営学科卒。新卒でゼット株式会社に入社。3年間の勤務の中で、物流、野球のグラブ工場、営業を経験。両親が創業した会社であるスポーツショップ古内に就職。2017年に同社社長に就任。第一回札幌CSR経営表彰受賞。札幌good商い賞など受賞。
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私は小学5年生の頃、両親が営んでいたスポーツショップを継ぐ決意をしました。サッカーを習っていた私は、父にサッカースパイク売り場の販売を手伝うよう頼まれ、軽い気持ちで返事をしました。セール当日、お店が開くと多くのお客様が来店し、私の担当したスパイクはすぐに売れました。その際、お客様から「ありがとう」と言われる体験に驚きました。お金を頂く側なのに感謝され、販売の楽しさに気づきました。その日以来、私は「Jリーガーになって3億円プレイヤーになる!」という夢を「スポーツショップ古内をでっかくする」ことに変えました。
私は「店はお客様のためにある」「損得よりも善悪で判断する」「青少年の健全育成に寄与する」という経営理念を掲げており、特に青少年の育成に力を入れたいと考えています。この理念は創業者である父から受け継がれたもので、私にとって非常に大切です。私は祖母に育てられ、祖母の「人様のお役に立てる人になるんだよ」「親孝行するんだよ」「あなたはやりたいことはなんでもできるんだから、やりたいことをやるんだよ」という言葉を心に留めています。その言葉を体現することが私の目標であり、それが祖母を喜ばせる道だと信じています。具体的にどうすれば体現できるかはまだわかりませんが、私と関わった人々が「幸せだ」と感じてくれれば、その瞬間こそ体現できたといえるのではないかと考えています。
私が最も覚悟を決めたのは3つの瞬間です。最初は小学6年生の時に「この会社を継ぐ」と作文に書いた時。次に、スポーツショップ古内に入社して営業成績が上がらず落ち込み、再起を図るために目標を紙に書いた時。そして社長就任後、グラブハウスの売り場を作る際、経営方針発表会で「年間1,000個のグラブを売る」と宣言した時(当時の販売数は150個)。私は会社を継ぐと決めていたため、財産や借金の有無は気にせず、むしろ「小さな店から大きく成長させる」という物語を描けることにワクワクしていました。
夢や目標を口に出し、実現していく人こそが次世代に影響を与える大人だと考えています。自分のことだけでなく、常に次世代のことを考えて行動することが重要です。日本の凄さは、歴史や伝統を受け継ぎながらも発展させる「守破離」の精神にあります。明治や大正、さらにはそれ以前から続く会社が多いのも、その証拠です。次世代のために考え続ける限り、この伝統は途切れません。次世代が「真似したい」と思う大人とは、夢や目標を言葉にし、紙に書き、それを実現する人だと思います。私もブレない心を持ち、理想の大人に近づけるよう、夢や目標を書き続けていきます。
私の目標は、社会的価値を創出し続け、「古内に会えてよかった」と思う人を増やすことです。先代から受け継いだ会社を守り、100年続く企業へと発展させたいと考えています。プライベートでは、家族と世界を巡り、先進国や発展途上国を見て知見を広げ、その経験を周りの人に伝えることが夢です。また、「人の役に立つ」「親孝行する」「自分のやりたいことをやる」を体現する人間になりたいです。ビジネスの目標は、グラブハウスを成長させ、「社長になりたい」と思う人を増やし、彼らにチャンスを与えることです。札幌、北海道、日本、そして世界で一番グラブを売る店にします。短期目標として、2026年8月末までに年間2,000個のグラブを販売し、坪面積当たりの販売個数と売上で日本一を目指します。
やりたいことがあれば、ぜひ何でも挑戦してみてください。大好きなことを見つけるには、それに触れる経験が大切です。たとえば、野球が好きな人は何かのきっかけで野球を知り、好きになったのです。また、本当に夢中になれることを見つけるためには、嫌いなものを知ることも役立ちます。若いうちに様々な経験を積み、異なるサークルや団体に所属することで、それぞれのルールや多様な人々に気づきます。そうした経験を通じて柔軟な考え方が身に付き、多様性のある社会に適応しやすくなるでしょう。すでに夢中になっているものがあれば、それに突き進むのも良いことです。自分の好きな道を存分に進んでください。
前職のゼット株式会社でグラブ工場に勤務していた時の工場長が独立して立ち上げました。素晴らしく完成度の高いグラブです。私のお気に入りのデザインで作ってもらいました。
私が読むものは様々な成功者の実際に行動してきた内容が記録されているものが多いのですが、参考になるもの、実践に移せるもの、読むたびに心洗われるもの、勇気をいただけるものなどあります。