大阪大学歯学部卒業後、奈良県立医科大学口腔外科に入局。助教授を経て開業。現在は岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座非常勤講師、南カリフォルニア大学歯学部客員教授、日本口腔インプラント学会指定研修施設(JACID)施設長、日本口腔外科学会・日本口腔インプラント学会・日本顎顔面インプラント学会(指導医・専門医)、日本歯科麻酔学会(認定医)。口腔外科の経験を基に他の医療機関では治療が不可能な難症例のインプラント治療に従事。全国で出張手術や講演・セミナーを行い、インプラント外科の正しい技術普及に尽力。国内・海外で多数の講演実績と著書を持つ。
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歯科医師になるきっかけは、小さい頃から人から自分の意志じゃないことを強いられることが嫌いで、サラリーマンは不向きだと考え、自営業なら弁護士か医者が妥当かと考えました。元々テレビを見るか、プラモデルを作るか、外で遊ぶことが好きで、本を読むのが嫌いでしたので、まず弁護士は不向きであり、医者なら医師か歯科医師の選択となりますが、医師なら映画で見た「白い巨塔」のようなサラリーマン以上の上下関係が厳しい世界のようでしたので、歯科医師なら個人開業がし易く自由に仕事ができるだろうと考え、消去法で選択しました。歯科医師の中でも専門があり、外科系が好きでしたので、口腔外科医になりました。
奈良県立医科大学口腔外科学に19年在籍し、口腔癌や唇裂・口蓋裂の治療および口腔顎顔面再建、顎変形症などのmajor surgeryを誰よりも多く経験し、新しい術式、治療法などを講演や論文で発表しました。大学教授になる魅力を感じないことから大学を退職し、過去の経験を最大限に生かせる骨造成を伴うインプラント外科を主体に開業しました。他の医療機関では治療不可能な患者様の手術を自身のクリニックだけでなく、全国へ出張手術にも出向いております。また、外科の正しい知識と手術を行う際の手技のポイント、勘所を大学関係者でもご存じでないことがあることから、それらの普及のために講演、セミナー、Live surgeryを全国で行っています。
大阪大学歯学部を卒業後、すぐに新設の奈良県立医科大学口腔外科に入局しました。教授はじめ上司陣が手術をされても、術後のトラブルや失敗が多く、症例検討会等で小生の質問に対しても明確な回答がなく、途方に暮れましたが、嫌いな書籍を読み漁りました。また麻酔科研修の際に医科の丈夫な外科医の手術を食い入るように見て、自分なりのやり方を試行錯誤しました。失敗は成功の基と申しますが、素晴らしい反面教師に恵まれたことが口腔外科医として覚悟を決めたエピソードであり、上司陣よりも器用であったことから、卒後2年目からmajor surgeryの執刀医となり、患者様に最善の手術をできるようになり、また患者様から多くのことを学ばせていただきました。
私の考える理想の大人像は、4つあります。1つ目は、自分の信念や価値観を明確にし、それに基づいて行動し、信念が揺るがないことで、困難な状況でも自分の道を進むことができ、他者に対してもその信念を示すことができます。2つ目は、言葉と行動の一貫性は、信頼を築く上で不可欠であり、周囲からの信頼を得ることができ、リーダーシップを発揮することが可能です。3つ目は。他の人々の意見や感情を尊重し、真摯に耳を傾ける姿勢は、理想の大人に欠かせない要素です。相手の立場を理解し、共感することで、より深い人間関係を築くことができます。4つ目は、感情に流されず、冷静に事実に基づいた理路整然とした議論を行う能力も重要です。この能力は、問題解決や意思決定の際に非常に有用です。
インプラント治療の必要性を退れる患者様の大半は、歯が欠損する様々な原因によって骨の欠損を伴います。前歯部では審美性、臼歯部では長期予知性のための口腔清掃性が重要で、そのためには確実な骨造成(骨再建)が必須です。骨造成を希望通りに行うことは、極度の骨欠損症例では至難の業であり、まだ明確な方法は確立されていませんが、私は種々の骨造成術を駆使し、良好な結果を得られるガイドラインを考案し実践しております(現在90%は達成)が、より一層確実性を担保できる手法を確立するのが、私の夢です。現在も行っておりますが、正しい骨造成法を用いたインプラント治療の普及を日本だけでなく、世界に普及したいと考えております。
若い歯科医師の方に伝えたいことがあります。アメリカの歯科事情は専門医制度が発達し、一人の患者様を各専門医のチーム医療体制で質の高い歯科医療を提供しており、毎年発表されるBest Jobs rankingでは歯科の専門医が上位にランキングされています。韓国でも歯科の方が医科よりも大学入試の偏差値が高いようです。それに比べて我国では、ほとんどの歯科医療機関が「万屋」的治療を行っており、医科と比較して社会的地位の低い原因にもなっています。我国の歯科系大学教育にも問題は山積されていますが、若い歯科医師の方々には世界の歯科界の情勢を認識した上で、得意な分野の専門医を取得し、チーム医療体制の基に、より質の高い歯科医療の提供されることを切に願います。
講演などの際に、ノートパソコンや書類を入れのにちょうど良いサイズで軽量のため、持ち運びに重宝しています。
世界3大時計メーカーの一つであるAUDEMARS PIGUETの腕時計で、20年以上使っている愛着品です。