1974年宮崎市生まれ。宮崎医科大学（現宮崎大学医学部）卒業後、同大学第二外科に入局。外科専門医を取得し、学生時代に聞いた「地域医療はまちづくりの一環」という言葉を理念に掲げ、医師不足に悩む妻の出身地である延岡市にて2009年に「大貫診療所」を開業。「診察室に閉じこもらないお医者さん」を目指し、外来診療に加え在宅医療にも力を入れており、これまでに250名以上の患者さんを在宅でお看取りした。地域活動では「大相撲東関部屋延岡合宿」「ふらっととまり木会100円居酒屋」「診療所朝市」などのユニークな取り組みや、まつりのべおか実行委員長として盆踊りのギネス世界記録も達成している。
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「医師は素晴らしい仕事だよ」という祖母の影響を受け、幼い頃から医師を目指していました。その祖母も、私が医師になって3ヶ月目に孤独死してしまい、何も出来なかった自分を責めました。勤務していた病院で、余命幾ばくもない高齢者への濃厚医療を見て、「人を幸せにする医療を目指したい」「まちづくりの一環としての地域医療を実現させたい」と思い、妻の故郷である延岡市で開業しました。自宅や施設での看取りも含めた在宅医療に加え、大相撲合宿や地域の祭りなどを通して、「そのまちに暮らす人が幸せに生き、その人らしい人生を終えることができること」に力を尽くしています。
「その人にとっての幸せとは何か？」「その人らしさとは何か？」を常に意識するようにしています。その人の幸せを実現させるためには、その人のことを良く知らなければなりません。その人の生き様や価値観、人生観などの「ものがたり」を知り、尊重し、寄り添うことを心がけています。そして、患者さん本人だけでなく、ご家族や地域全体、職場で働くスタッフも含めて幸せになることを目指しています。「幸福と健康に最も寄与するのは“良好な人間関係である”」という研究成果もあるように、医療のみならず、地域活動などを通して「人と人とのいい関係」を築くことが大切であると考えています。
地域で最大の祭りである「まつりのべおか」の実行委員長を引き受けたこと。そして「世界最大の盆踊り」でギネス世界記録を目指し、見事記録を達成出来たことです。「とても無理」という声にひるまず、夢を語り、ブレずに、楽しみながら進むことで協力者の輪が拡がっていき、記録達成に繋がりました。得たものは「成功しても失敗しても、最後までやり抜くことが大事」ということです。やり抜く覚悟を示すことで、協力してくれる人も現れるし、達成後の評価に繋がります。その評価が次の事業の成功に繋がると実感しました。
自分の頭で考え、自分で決断し、自分の責任で行動できる人。上手くいこうが、失敗しようが、他人や周囲のせいにせず、自分で責任を取れる人。そのためには、若いうちからどんなことにも果敢にチャレンジし、たくさんの経験を積むこと。そこで得た知識や経験、人脈が必ず将来に繋がってきます。人生はどこでどうなるか分からないから、ひとつの事にこだわり過ぎず、柔軟にしなやかに生き方や考え方を変化（進化）させ、当初は考えてもいなかった新しい世界を見付けることが出来る大人は、カッコイイと思います。
医師になった当初、開業するとは全く考えていませんでした。ましてや住んだこともなかった延岡市に来て、祭りや地域づくり活動に深く関わることになるとは夢にも思っていませんでした。「人生は、何があるか分からないから面白い」と思います。なので、現時点で明確な夢や目標と言えるものはありません。ただ、自分が面白いと思うもの、楽しいと感じるもの、やりがいを実感できるものには、果敢に挑戦していきたいと思っています。そしてその選択は、自分の頭で考え、心で感じ、自分自身で決断して行動するものでありたいと思っています。当面は、診療所前にカフェとサウナを作る取り組みを成功させることですね。
世の中は、ものすごいスピードで変化、進化しています。それは、私が子供の頃には想像も付かなかったほどです。現在ある職業も、数年後にはなくなっているものもあるでしょう。ならば「何になりたいか」ではなく「どう生きたいか」を考え、行動することが大切です。若いうちには、好き嫌いや選り好みをせず、あらゆることに貪欲に取り組んでほしいと思います。自分で自分の可能性に上限を設けず、「はい！」「YES！」「喜んで！」の精神で、何でも引き受けてみてください。そこで出会う人や物、経験が必ず将来の糧となり、生きる道を切り拓いてくれると思います。
結納返しでもらった、妻からのプレゼントです。結婚以来いつも着けているので、もはや体の一部として時を刻んでくれています。
歴代横綱の名前が刻まれた湯呑みです。相撲好きな私のお気に入り。手に馴染み、ずっしりと安定感のある湯呑みでお茶を飲むと、心身ともにリラックス出来ます。
