東京大学農学部獣医学科卒業。初期研修終了後、画像診断、腫瘍、外科を中心に複数の動物病院で研鑽を積む。地域医療における夜間救急体制に問題を感じ、2021年に地域で唯一の夜間専門病院を開業。
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小学校1年生の時に近所で保護された猫ちゃんを自宅に迎え入れたいと母に懇願して、それ以後は自宅にペットがいることが当たり前となり、動物好きな子供として育ちました。自然と将来の夢に獣医師と書くようになり、獣医師資格を取得できる大学に進学しました。大学に入ってからは研究者や馬の獣医師などを目指した時期もありましたが、自宅のペットの体調不良に直面したり、大学病院での診療に参加する中で犬猫の力になりたいと改めて感じたため、犬猫の獣医師になることを決めました。
夜間に行う診療は日中ほどの需要はないのですが、それゆえに一人ひとりの患者さんを深く見ることができます。たっぷり時間を使って診察できるので、丁寧な診察を全ての患者さんに行うことを心がけています。また、夜間病院は動物や飼い主さまのためだけでなく、地域の動物病院にも貢献できる仕事だと思いますので、動物病院に対しても治療の引き継ぎや情報共有を徹底するなどして、丁寧な対応をすることを心がけています。
今の病院を始める時にはさまざまな不安がありました。そもそも地方に夜間病院の需要があるのか、地域の動物病院の先生たちの信頼を得ることができるのか、病院のスタッフを確保できるのか、そのスタッフに十分なお給料を払うことができるのか、家族を養うことができるのか、などです。いずれも事前に十分な調査や根回しを行いましたが、実際に実行する際には後戻りできない不安を感じました。覚悟を決めて実行したことで唯一性のある事業を行うことができ、社会的意義を感じられる事業が実践できていると感じます。また、思った以上にスタッフも集まってくれて、それぞれの人生を少しですが支えることができて、とても嬉しいです。
次世代を育てると同時に、自分自身が成長する努力をやめない人。どちらもとても難しいことですが、小さいことの積み重ねを継続することが必要なのは間違いないと思います。世代が変われば価値観も変わるので、違う世代の価値観を感じ取って、それを受け入れてコミュニケーションをとることが異なる世代が同じ空間で上手に調和するために重要かと思います。自分自身の成長のためにできることは時間がいくらあっても足りません。
地域の動物病院どうしのつながりを加速させるような活動ができればと思います。現在はうちの病院とかかりつけの動物病院の2カ所で1人の患者さんをケアするといった環境が作れていますが、各病院の得意な分野を出し合って、3つ以上の病院で1人の患者さんを担当するようなことができれば、より細かい体調管理が可能なのではないかと考えています。また、動物病院どうしの交流を深めることで、各病院の先生方の経験でしか得られない知識を共有できたり、経営の悩みを打ち明ける場が持てたりするようなことができると、さらに地域の環境が良くなるのではないかと考えています。このような活動を促進することで茨城県を地域医療のモデルケースとし、他の地域にも同じような仕組みを作ることで日本全国の動物医療環境を良くすることが最終的な目標です。
今はSNSなどで大量の情報が流れ込んできて、様々なものに憧れを持つと思います。しかし、その憧れのほとんどが一つの側面からの切り取りであることを忘れないでください。憧れているような状況に辿り着くためには少なからず努力が必要です。また、一般的に弱きものを正当化するような情報が支持されやすいのですが、それが絶対の価値観だとは思わないでください。時には傲慢であることが正しい場面もあります。常識とは人間によって作られるもので、時代や場所によって異なります。今目の前にしている常識と呼ばれるものが本当に社会を良くしているのか、自分と自分の周りにいる人にとって良いものなのか、常に考えていけば、自然と常識にとらわれない考え方が身につき、良い生き方のアイデアが浮かんでくると思います。
私の小さい脳の外付けハードディスクとして常に頑張ってくれています。相棒として常に公私ともにサポートしてくれています。
音楽の世界にワープすると頭と心が洗われます。音楽は神が人間に与えてくれたギフトです。趣味というにはおこがましい程度の腕前ですが、小さな幸せを感じています。
