東京大学法学部卒業。国家公務員として総務省に勤務し、平成16年度から鳥取県で勤務。平成24年度から熊本県で勤務し、平成28年度から総務省へ復帰。令和2年10月に熊本県副知事に就任。令和6年4月に熊本県知事に就任。
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子供の頃からご当地牛乳キャップ集めや秘湯めぐりが好きで、日本各地の様々な個性に触れることに無上の喜びを感じる変わった子供でした。日本各地のご当地の持つ文化や歴史、多様な個性を引き出したくて、地方創生を生業とする総務省（旧自治省）に入省しました。全国の自治体の地方創生をお手伝いする中で、熊本県に赴任し、熊本が持つ可能性に惚れました。農林畜水産業の豊かさ、個性的な文化、多様な観光資源、美しい自然景観、地域経済の底堅さ。このポテンシャルを十分引き出せば、熊本は日本の地方創生のモデルになれると確信し、前知事が勇退するのを機に、自らが後継者となるべく、50歳を前にして官僚の座を辞して熊本県の未来に残りの人生を賭けました。
「仕事は楽しく。人間でしか出来ない創造的な仕事をしよう」がポリシーです。パワハラをはじめ、あらゆるハラスメントを許さない強い姿勢で働きやすく風通しの良い職場づくりに努めています。前例との適合性を探るような仕事はこれからはAIが担ってくれます。私たち人間は、ゼロからイチを生むような創造的な仕事の仕方が求められるし、AIに負けない存在意義となります。そのためにも、県庁組織が働きやすく、組織への愛着を持つ安心感の中で創造的な仕事ができる環境づくりこそが、知事としての役割と思っています。ハラスメントへの毅然とした対応に加え、公正な人事、多様な採用、若手や元気な職員の抜擢など、組織として前例にとらわれないことを示していきたいです。
現場主義を貫くこと。「県民が主人公の県政」を実現するためにも、答えは現場にあることを忘れてはいけません。選挙で選ばれた知事である以上、対立候補に投票した有権者もいるし、政治的立場や意見の異なる県民もいます。それゆえ、現場に出れば厳しい意見をぶつけられることや敵意を露にされることもあります。知事になってプライバシーは無くなりました。それでも現場に出続けて行く覚悟でいます。私は生まれつき左手首から先がありません。先天性の身体障がい者です。そのため子供の頃から周囲の好奇の眼差しを受けて育ってきました。だから人目に曝されることは慣れています。むしろ裸の自分をぶつけてこれまで生きてきたので、これからも自分を曝して全身で県民の意見を受け止めていく覚悟があります。
自分を偽らずに生きていること。我を押し通さず、異なる意見や新しい感覚に興味を持ち続けること。全てを自分事ととらえて前向きに暮らしを楽しむこと。この３点が実践できているのがカッコイイ大人ではないかと思うし、自分もそうありたいと思っています。やはり好きなこと、やりたいことに取り組んでいる姿は美しいです。一方で、若者や異文化に敏感になる柔軟さ、しなやかさで常に脳味噌や細胞がイキイキしていることはその人の姿にも映し出されます。人のせいにする姿は美しくありません。前向きに生きる姿こそがリーダーに求められると思います。
「県民が主人公の熊本県」の実現。熊本に生まれて良かった、暮らして良かったと実感できる熊本県を創っていきたいです。そのためには、知事自らが現場に足を運ぶことで県民の中にある「宝物探し」を行っていきたいと思います。そこで見つかった宝物に磨きをかけ世間に押し出したいです。言うならば、知事として自分が目立つことは全く目標にしておらず、むしろ私は「県民のプロデューサー」になってキラキラ輝いている県内のプレーヤーを全国、全世界にプロデュースしていきたいです。一昨年、全国手話パフォーマンス甲子園で優勝した聾学校の学生の表敬をマスコミオープンで受けたことで、彼らの活躍が報じられ県内中に知れ渡りました。こうしたちょっとした成功に無上の喜びを感じています。
やりたいことをみつけて、やりたいことをやってほしいです。今やりたいことがない人は時間をかけてもいいから色んなことをお試しでやってみて、自分のやりたいことを探してほしい。興味のあることには何でも挑戦してほしい。成果が出るか、コスパが良いか、そんなことは考えなくていいです。考えてはいけない。やりたいことに思いっきりのめりこむことが出来なければ、人生は豊かにはならないし、あなただから出来る「勝ちパターン」、すなわちあなたが社会人として成功できる道も切り拓けません。そのために回り道してもいい。今の時代誰も遠回りを気にしない。どうか自分のやりたいことを見つけてほしいと思います。
落雷の被害を受けた樹齢千年を超える熊本県名産・小国杉の銘木を、カットして名札にしてもらったもの。くまモンの柄も可愛く、お気に入りです。
令和6年4月の知事就任とともに登用した二人の副知事、竹内氏と亀崎氏、二人の名前を取った「竹」細工と「亀」の小さな縫物。この二つをカバンにつけて持ち歩き、我々3人で頑張っていく象徴としている。
