私のカクゴ

久留米リハビリテーション病院 理事長 柴田元
しばたはじめ

柴田元

福岡県生まれAB型
職業:久留米リハビリテーション病院 理事長
趣味:読書
座右の銘:己を躾ける

数学者を志すも、明治から続く家業継承のため久留米大学医学部へ進学。卒業後は大阪国立循環器病センターなどで最先端の循環器医療に従事した後、1996年に医療法人久留米リハビリテーション病院副院長に就任しました。並行して産業医科大学リハビリ科で研鑽を積み、循環器科専門医に加えリハビリ科専門医・指導医を取得。循環器医療の知見を活かし、重症患者を受け入れる高度専門リハビリ医療の推進を目指しました。さらに北欧研修を経て「リハビリテーションマインド」を学び、さらには「抱え上げないケア」を導入。行政モデル事業にも積極的に携わり、先進期医療の実践に努めながら、地域の全人的医療と共同体の再構築に尽力しています。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

私が医師になったのは、結果として明治以来続く実家の家業を継承するためでした。創業者は1941(天保12)年生まれ、長崎でシーボルトのオランダ医学の継承者であるマンスフェルトに師事して西洋医学を学び、現在の地で医業を開業しています。私は数学者になりたかったのですが、とりあえず医学部に入学しました。卒業後、地元の大学医局に入局しますが、1年半ほどして、大阪国立循環器病循環器病センターにレジデントとして出向。当時の先進医療を習得して循環器専門医として活動していましたが、実家継承のため、リハビリテーション医療に方向転換をしました。

現在の仕事への想い

私は元々循環器の専門医でしたが、実家の家業を継ぐためリハビリテーション医療へ転向しました。当初はその違いに戸惑いましたが、結果的に心臓や肺に疾患を持つ重症患者のリハビリテーションにも対応可能ということが強みとなりました。リハビリテーションは、患者様本人だけでなく、ご家族の人生や生活も背負う非常に責任の重い「全人的医療」です。現在、国の統制医療が進む中で診療報酬などの制限はありますが、老若男女、障害の種類を問わず、一人ひとりの患者様に寄り添う個別的医療を展開し、社会に復帰させていくことが、現場の臨床医である私の使命だと考えています。今後も理念を共有するスタッフとともに、地域と生き、地域を活かす医療を実践してまいります。

あなたにとって覚悟とは

事業継承の際は、初代の神棚を前に「今後一生うまいビールは飲めない」と覚悟しました。心身を鍛えるため34歳でトライアスロンを始め、約20年継続。良い病院とは何かを学ぶために「財団法人医療機能評価機構」に所属し25年間にわたり活動しています。新しい医療システムの構築のための行政モデル事業はご依頼があればすべて受けてきました。国土交通省NASVA短期入院事業には初年度(2001年)から、2024年度には重度脊髄損傷者受入環境整備事業(モデル事業)に参加しています。日本医療機能評価機構調査者、市地域包括支援センター理事長、市介護保険認定審査会会長(2025年3月辞任)、県介護予防支援センター事業責任者として公正な立場を維持するため、学会や医師会を含めた団体内活動や、事業者等からのお声掛けには、原則ご遠慮させていただくことにしています。

カッコイイ大人とは?

私が考える「カッコイイ大人」とは、私利私欲がなく、職人やプロフェッショナルとして純粋に活動している人です。以前一緒に仕事をした行政の方で、私を助け、地域のために自らの昇進を断って定年まで尽力した方がいました。何の表彰も受けずとも、その私欲のない姿こそが本当にかっこいいなと感じました。また、徒党を組むことなく、その人の魅力で自然と人が集まってくるような人も魅力的です。年齢を重ねるごとに自己主張するのではなく、むしろ自然体で「無為」になっていく人。自分の専門性を活かして社会貢献し、「孤独もまた良し」と自らを律しながらひたむきに生きる人。世の中には目立たないところに「カッコいい大人」がいます。ただし、これまでの経験のなかで、自分自身を磨かないと相手のよさにも気づけないのだということを勉強しました。

今後の展望

国が統制医療を強化していく中で、いかに個別的医療を展開していくかが最前線にいる臨床医の使命だと考えています。効率性と標準化は行政システムには必要ですが、臨床の場面には一貫して個別性が求められます。今後とも「真秀のリハビリテーション」を実践していくための「理念」と「技術」を継承していきたいと思います。地域共同体の再構築を目指すため、少子高齢化が進む地方の生活圏域において、住民生活を支える体制を再構築していくことを目指します。その起点となるのが、「非営利組織」による「地域包括支援センター」の運営です。行政や一部の利益団体の意向に偏らない市民生活を主体とした運営を目指します。

若者へのメッセージ

今の日本はかつての輝きを失ったように見えるかもしれませんが、日本の技術力や潜在能力は今でも世界トップレベルです。これからの時代を生きる皆さんに伝えたいのは、「未来は誰かが作ってくれるものではない」ということです。英雄待望論に期待してはいけません。明るい未来は、私たちが望めばその通りになりますし、諦めてしまえばそれまでの未来になってしまいます。困難なこともあるでしょうが、諦めずにみんなで手を取り合いましょう。私たち一人ひとりの小さな一歩が大きなうねりとなり、やがて目の前に現れるのが「我々の未来」です。未来は意思の集合体です。明るい未来は、自分たちの手で作っていきましょう。

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お気に入り

トライアスロン参加時の写真

1999年4月の全日本宮古島トライアスロン大会。49歳で初のロングレースに選抜。国内外1400人が砂浜で待つ緊張の中、まさにスタート直前の「覚悟の一瞬」をカメラマンが捉えてくれました。

六文銭

京都・龍安寺の「吾唯知足」と六文銭。六文銭は2組作り、1組は地域包括ケアの礎づくりに尽力した亡き盟友のもとにあります。私の地域活動は、今も彼と共にあります。