私のカクゴ

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表パートナー弁護士 鮫島正洋
さめじままさひろ

鮫島正洋

神奈川県生まれAB型
職業:弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表パートナー弁護士
趣味:料理、ゴルフ
座右の銘:鶏口牛後

東京工業大学工学部金属工学科卒業。(株)フジクラにて電線材料開発、弁理士資格取得後日本アイ・ビー・エム(株)にて知的財産部勤務、弁護士登録後都内大手法律事務所にて研鑽、2004年に弊所を設立して代表に就任、現在に至る。中小企業・ベンチャー企業の知財戦略に携わり、小説「下町ロケット」に登場する神谷弁護士のモデルとなる。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

初めは何もありませんでした。20年前、技術と知財を囓った弁護士に特許訴訟以外の仕事はありませんでした。訴訟は企業にとって必要悪、そんなことをやりたくて弁護士になったわけではないからです。お客様のビジネスに貢献できる仕事はないのか?そんなときに、法律・知財の恩恵を十分に受けられない中小企業の世界に巡り会います。この世界であれば、自分のキャリアを活かして、彼らのビジネスに貢献できる。それが技術法務の源流です。10年をかけて、実務を組み立てあげました。わかったのは、市場規模が大きいということ。日本には星の数ほど技術を持った会社があるのだから当たり前です。若い人をどんどん採用し、この新しい実務を広げていかないと市場のニーズに添いません。人が定着せず苦労した時期もありましたが、ブレることなく仕事をし、理念を語り、社会課題に向き合っているうちに、いつの間にか業界(知財を専門とした法律事務所)の最大手になっていました。

現在の仕事への想い

お客様を感動させることです。弁護士のタイムチャージは高く、60点の出来では二度と使ってもらえません。80点でも微妙です。100点、120点の満足(感動)を与えて初めてリピーターになっていただけます。そのためには、お客様の問いかけに応えただけでは不十分です。「彼に会えてよかった!」「素晴らしい体験をした」そういう感動を与えられなければなりません。そのための各論はここでは書きませんが、少なくとも弁護士のmtgの1時間は「エンタテイメント」であるべきです。エンタテイメントであれば、お客様はもう一度来たい、聞きたいと思うであろうからです。

あなたにとって覚悟とは

部下に任せることです。たいした「覚悟」でなくてとても恐縮ですが、今の自分にとって、この種の「覚悟」はオペレーションの中枢を構成します。独立事業主の色彩が強い弁護士業といえども、組織である以上すべての業務を個人で行うことはできません(それがよければ、個人事務所にすればいい)。極端に言うと、すべての案件を部下やスタフに任せ、彼らが失敗したら上司である私が責任をとる。それがマネジメント業です。組織論の他に任せる理由があります。部下の成長スピードです。人は「ミスをしてもいいから、自分の思ったとおりやってみろ」と言われたときに,一番育ち、考えるはずです。人を育て、社会に貢献するために事務所を開設した身としては、部下に任せる覚悟は本質なのです。

カッコイイ大人とは?

頭上1mのカメラを持っている人です。若い頃は、なりふり構わず夢を語り、それを実現するために前に進み、泣きたいときは泣き、怒りたい時は怒る、そんな自分が「ちょっとカッコイイ」と思っていました。でも、あるとき、「それって独善では?」って思いました。独善とは、自分のことを自分の価値軸でのみ評価することをいいます。人が生きる上で、自分のことを自分で評価しなければならないことは変わらないものの、なんとかしてそこに第三者的な価値軸を入れられないだろうか。とりあえずではありますが、自分の頭上1mくらいに仮想のモニターを設定し、素の自分とモニターに写る自分の差分を考えるようにしてみました。例えば、部下の出来が悪くて怒鳴っている自分がいるときに(※弊所にはそういう部下はいないのであくまでも仮想例です)、モニター画面越しに見ると、怒鳴っているオジサンがいるわけで、それってカッコイイのだろうか?「怒鳴る」という手法も部下の成長にも寄与しないはずです。部下の失敗に対してどういう態度をとったら一番カッコイイように見えるかな。彼が一番成長する接し方は何かな?モニター画面越しに見れば、それがわかるかもしれません。もちろん、答えは一律じゃなくて、簡単でもありませんが、そんな風に自分を第三者的な価値軸からも観察できて、かつ、当事者としての熱量も失わず、そのバランスをどんな場面でも最適化できる大人がカッコイイのではないでしょうか。

今後の展望

グローバリズムに対する尽きぬ疑問があります。「グローバリズム」という響きには、「欧米を追従する」「欧米の作ったスタンダードを着実に実行する」という受動的概念が含まれています。日本が世界標準の考え方を創り、広めるという意味での「グローバリズム」であればもっとすっきりと理解できますが。日本という国は300年間、グローバリズムと対極をなす「鎖国政策」をとり、その中で世界中が賞賛する文化(料理、絵画、演劇など)を生み出してきた、創造性の高い国民性を持ちます。安易に受動や追従に流れるのではなく、自国のポテンシャルを信じ、より能動的に世界に向けてその創り出した様々な概念を発信するというスタンスを取るべきではないでしょうか。それが、世界中の人々の共感を生めば、そこに「グローバリズム」が成立します。

若者へのメッセージ

僕たち団塊下世代は、団塊世代に虐げられました。同じことを若い世代に対してやってはならなりません。若い人たちに活躍の場を与え、夢を実現できる理想の社会を造ろう、そういう想いで生きてきたつもりでした。けれど、現実は違い、結局、若い世代に何も残すことができませんでした。痛恨の極みです。せめて、理想の社会への「入り口」くらいまで、一緒に辿り着こう。そのためには協力を惜しみません。

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同小説が初めて出版されたときに、池井戸さんが謹呈してくれた思い出の書です。ただし、その時点で、これほど著名になり、世の中に影響を及ぼす象徴的存在になるとは誰も予測していませんでした。届いた夜、読み止められず夜中までかかって「一気読み」したことを憶えています。

リュック型の黒いバッグ

20年近く前のことです。理由は忘れてしまったが、とにかく「歩きたい!」と思った時期がありました。スーツ+リュックというスタイルはまだ奇抜な時代、そのスタイルに一番合いそうなバッグを通販のカタログで見つけたときは歓喜しました。定期的にオーバーホールにも出し、とても長いお付き合いになりました。