
武蔵野美術大学造形学部卒業。新卒時に腰掛けくらいの気持ちで物流会社に入社、各地での新規事業を主に20数年を経験。2021年に転職し現在は青果流通を主とした輸送子会社の代表に就任。「現状維持は退路なり」を信条として物流の変革期に挑んでいる。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
美術大学を卒業した後、家庭の事情もあって「とにかくすぐに稼げる仕事を」と、少し腰掛けのつもりで求人誌をめくりました。もともと車の運転が好きで、自由にどこへでも移動できることに魅力を感じていたため、仕事と結びつけやすい物流業界へと進みました。実際に仕事を始めてみると、商品をお届けした際にお客様から「今日もご苦労さん」と声をかけていただけるなど、人との温かい接点にやりがいを感じるようになりました。当初は青果業界に携わることも、ましてや将来社長になるとも、全く想像していませんでした。
「今」の「い」はすでに過去。「今」という言葉の「い」は、「ま」を口にした瞬間にすでに過去へと変わっていきます。
これぐらいの感覚でどんどんチャレンジしていきたいと思っています。時間、時流は決して止まらず、取り戻すことはできません。だからこそ、常に将来へ視点をおいて「まだ、先がある」と意志を持って取り組んでいます。「水は常に形無し」「現状維持は退路なり」は私の尊敬する方々の教えでもあり、私の信条とするものになっています。
私にとって覚悟とは「孤独を受け入れ、腹をくくること」です。その原点は、長く続けてきた剣道にあります。試合場に入れば、どんなに仲間が応援してくれていても、戦うのは自分一人。誰も助けてはくれません。頼れるのは、自分が積み上げてきた稽古と、それによる自信だけです。この最後は一人という強烈な踏ん切りこそが、私の覚悟のベースにあります。美大への進学を決めた時も、新規事業の責任者として未開の地に赴任した時も、常にこの感覚でした。「結果がどうあれ、やるしかない」と腹をくくる。その覚悟があったからこそ、周囲の仲間もそれに共鳴し、後押ししてくれ、協力してくれました。
何事も本気で楽しみ、苦労ですら楽しんでいる人はカッコイイと感じます。まさに「武士は食わねど高楊枝」という言葉が似合うような、どんな状況でも誇りと気概を持ち続けられる人に惹かれます。仕事やプライベート、趣味など、ただ時間だけを過ごすのではなく本気でなにかやっていると、「なぜだろう」と疑問を突き詰めてどんどん深掘りしていけるし、それが気づきになり、その気づきがまた新たな興味を呼び、さらに知見が深まっていきます。そういう人はカッコイイと感じます。
50歳を目前にして、自分のラストキャリアを見据えたとき、「物流業界」で何かをしていきたいと感じました。これからの私の展望は、この業界の未来を担い、社会に貢献できる次の世代を育てることです。時代はものすごいスピードで変わっていきます。その変化を恐れず、むしろ楽しんでいけるような若い世代に、物流の面白さを伝えていき、彼らが業界全体を新しく、革新的に引っ張っていってくれるよう、私はその「下支え」になりたいと思っています。
若い皆さんには、仕事を全力で楽しんでほしいです。人生の多くの時間を費やすからこそ、仕事は「自分を創り上げる時間」にしてほしいです。常に前を向いて楽しむ気持ちを持てれば、人生はもっと豊かになります。他人と自分を比較せずに、自分の道を好きなように歩めばいいのです。先入観を持たない若い世代から斬新なアイデアが飛び出す瞬間が、私は楽しみであり、嬉しくて仕方ありません。時代はどんどん変化していきますし、未来にはもっとワクワクするような楽しいことが待っています。新しい自分たちの世代を創り上げてください。

幼少期から始めた剣道ですが、今はわずかに残っている職人さんにお願いして創ってもらっている道具を味わいながら使っています。日本の伝統的な文化を担う職人さんの業は感慨深いものがあります。

尊敬する経営者の方が退任される時に「安物だけど、これからは君の時間を刻んでもらいたい」といただいたもので、様々な想いのある時計です。