ドイルコレクション 代表取締役・インテリアデザイナー 井上愛之
いのうえあいじ

井上愛之

神奈川県生まれ
職業:ドイルコレクション 代表取締役・インテリアデザイナー
趣味:映画鑑賞、旅行
座右の銘:才能とは、自分自身を、自分の力を信じることだ。

横浜翠嵐高校卒、明治大学理工学部建築学科卒、インテリアデザイン事務所に11年勤務後、2011年に独立。2013年、ロンドンの国際的なデザインアワードにてAsia Bar/No.1を受賞し、その後5年で約200プロジェクトを手掛けるまでに成長。2017年にはニューヨークにて「Firm of the Year Award」(10名以下のインテリアデザイン事務所)にて日本人で初めてWinner/世界一となる。その他、国際的なアワードの受賞歴多数。

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来歴

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なぜ今の仕事に?

高校時代、進路を決めるときに理系か文系か、という部分では理系だったのですが、大学の学科を絞り込む際のことです。数学科や物理学科、情報処理学科など、その時の私には「そこで勉強をして、卒業したらどんな仕事に就くのか?」ということが想像し難く、ただ一つだけ建築学科だけが「卒業したら建築家になるんだよね?」という分かりやすさがありました。そこで、その当時に付き合っていた彼女に「オレ、建築学科に行こうと思うんだよね」と軽い気持ちで言うと「わー♡カッコいいー!」という予想もしていなかった反応が返ってきて、その場で進路が確定しました。そこから建築について調べ始めたのですが、それはもう知れば知るほど楽しくて、どハマりました。大学では、まずは戸建住宅から始まり、年次を追う毎に大きな建築を、そして最後は東京ドームくらい大きな建築を設計するには、という流れで勉強をしましたが、卒業するときに「大きな建築を設計する、ということは5年やそれ以上にもなる時間を一つのプロジェクトにかけることになるのは自分に向いていない」と思い、色々と検討した結果、建築学科から進みやすい職業ということもありインテリアデザイナーという道を選びました。

現在の仕事への想い

私がデザインをし始めるときは出来るだけニュートラルな状態から、クライアントがお客様に届けたい想い、頭の中で思い描いているものをヒアリングし、それを如何に形にするか、ということに専念するようにしています。要するに私がつくりたいものではなく、クライアントが実現したいもの、その場で発生するユーザー体験を創出することを目的にデザインするようにしています。言い換えると、作家性を排除して取り組むことが大切であり、その空間が何を目的とした空間かということへの回答として、即ちクライアントの事業構想に空間を最適化させることがインテリアデザインの価値だと思って取り組んでいるとも言えます。また、インテリアデザインは、結果として形をつくる仕事ですが、その「形」は論理的な組み立てに対する回答として有効な場合が多々あります。例えばある商品やサービスをブランディングする際、早い段階で「形=答え」があると、そのブランドの持つ可能性を絞り込んでいくのではなく、多角的な分析や検証の答え合わせをする感覚となり、その答えも可変であるため可能性が広がることもあります。昨今「デザイン思考」を取り入れるという社会的な流れがありますが、上述のことを端的に言い表しており、さらにそのことをわかってインテリアデザインをしているか否かで、その結果としての「形」の質も大きく変わってくると考えながら取り組むようにしています。

あなたにとって覚悟とは

最も、というと一つに絞る必要がありそうですが、、2つあげさせていただきます。一つが、会社のお金がなくなったとき。これは、まさに震災の当日、2011年3月11日が務めていた会社への最終出勤日となり、独立してから受注予定だったプロジェクトがほぼ全てキャンセルになったことによります。もちろんそのような状況になるとは思ってもいなかったため、会社を設立してすぐ一人スタッフを雇ってしまっておりました。そのスタッフの給与だけは必ず毎月遅延なく支払いたかったのですが、当時そのスタッフの給与が25万円/月で、会社の預金残金が17万円となり、8万円足りない状況となりました。そこで、来月であれば20万円の支払いが得られる物件の社長に「今月お支払いいただければ10万円で結構ですが、お願いできますか」と、依頼してなんとか工面でき、結果的にはその状況を乗り越えられたことで、この仕事で絶対に同じことが起こらないようにと思えました。もう一つは、初めて高い評価を得たとき。独立して2年目につくったBARラウンジのデザインが、イギリスの国際的なデザインアワードでアジアNo.1作品に選ばれました。その当時は、日本の小さな会社がそのようなアワードを受賞する事例はほぼなく、さらに設立2年目という国内でも無名のデザイナーが、ということはありませんでした。逆にいえば、良いものは良いと評価されることを改めて実感することができ、これからも自分自身のデザインを信じていこうと思うきっかけとなりました。

カッコイイ大人とは?

その人がハマっているものの一つが仕事、という人はカッコいいなと思います。ハマっている、という言葉を使っているのには意味があり、仕事が好きとか仕事ができる、というのとはちょっとニュアンスが違うからです。のめり込んでいる、でもいいのですがちょっと硬いというのもあり。そういう人と話す機会があったときは必ず楽しそうですし、深いこだわりがある一方、とてもフレキシブルというかその分野に対して寛容だなと思います。その寛容さが大人な余裕のようでもありますし、また、その仕事に社会的な意義、世の中が豊かになる一輪を担っているという意識を持って取り組んでいるのも特徴だと思います。

今後の展望

インテリアデザインは、それをデザイン・設計することはどこにいてもできます。日本にいてもヨーロッパやアジア、世界中のどこの場所に対するものでも可能です。ただし、その場の空気感や近隣との関係、その国の文化などの要素を知らずにデザインすると、カッコよくても意味のないもの、不要なものとなります。なるべく自分がニュートラルな状態からデザインする、というものと、無知なのとは違います。いろいろな考え方やモノの見方、歴史的な文化やいまどきの潮流など多くの情報に触れて、グローバルに仕事の幅を広げていきたいです。

若者へのメッセージ

まず、何かを始めること、そして、それにハマるまで取り組んでほしいなと思います。今は情報化社会となって、自分をどのベクトルに向けたらよいか判断しづらい世の中だとは思います。でも、何かを始めないと見えてこない事ばかりですし、もう一つ、修行という考えは古いと言われるかもしれませんが、グリッドという考えは認知されていて、それはあることを続けられる能力、才能です。インテリアデザインはとてもこの能力が役立つと感じますし、日本人には向いていると思います。そう、少なからず海外でも仕事をしていると日本(日本人)というだけでとても個性的な側面を持っていると感じます。ぜひ皆さんも、何かを始めて、それにハマることができれば、すでに備わった日本人というアイデンティティを活かして、未来をサバイブする武器にしてもらえればと思います。

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