安田女子短期大学で保育士資格取得後、地元公立保育園に29年勤務、武蔵野美術大学造形学部通信学科油絵科卒業。公益社団法人二科会1980年初入選、41年連続で出展、2011年二科展特選。2006~2011年フランスエコール(欧州美術クラブ主催)にてポール・アンビーユ氏に師事。現在は子育てサポートアトリエREIレイ合同会社の代表社員を務める。(アトリエREIレイこども舎さがた園・おおの園2園の総括園長)
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子育ての大仕事の一つ、大学の子供たちへの仕送りが終わり、このタイミングを逃したら仕事を定年まで続けなければならないと感じていました。絵を描くこと、仕事、子育て、妻、嫁 段々と比率は悪くなりますが、延々と続く日々を過ごしていた頃、同級生から「宮島口の改装した蔵で個展をしないか」と声をかけてもらったことがきっかけでした。以前から、絵をもっと本気で描きたいと思っていましたので「今だ!」という感じです。それがこの49歳という子育てが一段落したタイミングでした。まずは、子供の絵画教室がしたかったのです。その子供絵画教室が、子育てサロンになり、保育園に進化していきました。
保育士をしながら子育ても並行しながら公募展(二科展)に油絵を出展していました。美大への憧れは高校生に遡ります。どこからそんなエネルギーが出ていたのでしょう。私は、絵を描くことが大好きなのです。しかし子供たちは、本物のアートが周りに沢山あっても、その素晴らしさに感動することなく成長しているように思えてならなかったのです。海外の子育ては、もっと身近なアートに、自然に触れて子育てをされているように思えてました。大人になって、絵を描くのは苦手と思う人やアートに触れずに大人になっていく子供たちが多いことを感じていました。日本人の幸福感が世界で下位にあるのも、そんなところに原因があるのではと思うのです。日本の文化やアートは、生活の身近なところにあると思っていましたので、子育てサロンの進化した私独自の保育園では、アートに触れた日々の保育を展開したいと思いました。
私自身、納得できる絵が描きたいと思っています。「これが岡本礼子の絵だね」と言われるような絵が描きたいです。保育園の存在は、夢中で描いた作品が子供たちに触れ、何かを感じて欲しいです。それは、私の絵だけではないと思います。本物に触れて育つということに繋がります。私は、子供たちに「絵を描くことは、面白くて楽しくてしあわせになるのよ」と伝えられたら嬉しいですね。日々、自分で心地よく感じる空間で過ごした子供たちは、自分が大好きな大人になっていくのではと思います。私の本気で作っている環境で感じる子供になって欲しいです。
かっこいい人は、自分に正直でいつも少し遠くを追いかけているような人ですね。いつまでも少年のような心を失わず、夢中になれる人。自分でその夢中を見つけられる人ですね。また、尊敬する人から言われた一言があるのですが、怒りの感情を抑えられない人、怒りが相手に対して出てしまう人は、「人間ができてないのよ」と言われて、いつもその一言が心にあります。
日々、色・カタチ・素材を分けたり並べたりすることが、当たり前の空間となるような環境作りを展開したいと思います。それは美意識の土台作りだと考えています。バーチャルの世界が氾濫している今、子供たちは何かを忘れて成長しそうです。生きる価値を自分で考えることができる子供たちを育てるには、日々の自然な芸術性に触れられる空間が必要です。実はそれは、身近に家じまいをする古民家のお宅に本物が沢山あります。心の温かい自分の大好きな子供たちにしたいと思います。世界の幸せ度のランクが上位になる日本を目指しています。
AIの世界が面白く、それにのめり込んでしまっている子供たちを多く見かけます。バーチャルな世界は、簡単に楽しめる世界ですが、自然に触れ、素材への感触を知ることが本物の世界と信じています。これもこれから必要でなくなっていくのでしょうか?何が本物で何が必要でないのか、見分ける能力が本当に求められる時代となっていくのでしょう。肌感覚や生で目で見た世界を土台に、これからの世界を担っていって欲しいと思います。
2022年タイの学会に参加した時、とても気に入り購入しました。海外の教育現場を知るために海外の学会にはよく参加しています。
オーストリアの展覧会に出かけた時、美術館で購入しました。割れないようにと大事に持ち帰りました。