1993年新潟大学歯学部卒業。2001年インプラント専門施設である日本橋インプラントセンター設立。2011年東京医科歯科大学歯学博士。日本橋インプラントセンター所長。現在100%の患者がインプラント関係患者というインプラントに特化している歯科医院を経営している。
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私がインプラント治療に出会ったのは30年以上前です。当時の大学では、インプラントの講義はほとんどありませんでした。大学を卒業して4~5年が経ったとき、先輩の歯科医師から勧められてインプラントの国際学会に参加して、素晴らしい治療だと思い、帰国後寝る間を惜しんでインプラントの勉強に専念しました。30年前以上前のインプラントと、今主流のインプラントは180度違った治療であり、歯科医の中でも嫌厭されがちでしたが、海外含めた様々な学会や研修会に参加し年間で何百もの症例をこなしているうちにその実力を認められ始めました。
約20年前、歯科業界ではホームページもありませんでした。そこで自分でホームページを作ってインプラント治療をPRすると、インプラント希望の患者さんが増えていきました。そこが転機となり、インプラント専門の歯科医になることを決意しました。インプラント専門になった私ですが、好き好んで歯を抜くわけではなく、私のところには、他の歯科医に抜歯宣告された方が来るのです。インプラントに不安を持っている方には説明会を開いて、お金もかかりますが、残っている歯に負担をかけない治療であることを説明して、理解してもらうようにしています。これは歯科医院の経営戦略としても有効でした。インプラント治療では約束事を守る事が大事。外科手術の技術が非常に重要で、約束事を守った手術をすれば経過がいい。10~20年以上使うものですからきちんとした治療をしないといけないのです。
以前、私のクリニックの近くでインプラント手術による死亡事故が起こりました。当時、報道にもクリニック名や名前が出ていなかったので「東京、八重洲、インプラント」で有名な歯科医ということで私が犯人だと疑われ、風評被害にあいました。その際、この先どうしようと考えた時に「インプラントの正しい知識と技術を啓蒙しよう」と思ったのです。
どんなに偉業を成し遂げた偉人でもその成功には感謝するべき環境や、人が存在します。マダム・ホーというポートフォリオワーカーの女性がいらっしゃいます。彼女は学生の時お世話になった自身の母校、南カリフォルニア大学で次世代の育成のために奨学金制度を設立しました。そのお話に感銘を受け、私も30年近くお世話になったこの歯科インプラントの業界に少しずつでも恩返しができないかと考えました。そして、今年母校の新潟大学の歯学部への基金(奨学金制度)設立を決意しました。
「予防とインプラントは車の両輪」です。歯科治療は予防がものすごく功を奏する。特に歯磨き指導が大事で、歯磨きを入念に教え込めば、虫歯や歯周病は激減します。すると、歯周病菌も影響する糖尿病などの治療にもつながります。健康で長生きしてもらうために予防にも一生懸命取り組んでいます。それを日本の健康寿命100年のために啓蒙していくつもりです。また、個人的にはまだまだやりたいことが山ほどありますが、まずはより良いインプラント治療のために新しいビジネスの開拓をしようと考えています。
これから大人になって行く時には「出会い」が大事です。「出会い」とは、運と縁です。私はかつて教師を目指していたのですが、教育実習に行った際、理想と現実のギャップを垣間見て教師の道を辞め現在医師の弟の勧めで歯学部に入り直しました。卒業後、先輩歯科医の勧めで参加した海外の学会でインプラント治療と出会い、そのすばらしさに感動して今に至ります。人との出会い、運と縁、礼を尽くし色々な人の意見に耳を傾けるようにして下さい。
15年ほど前にラスベガスのインプラント研修会に行った際に買ったものです。こちらは数枚持っていて、毎日着て治療に当たっています。
こちらは業者からいただいたもので、インプラントの柄になっているネクタイです。普段は治療着なので、スーツを着る際に必ずこちらを着用しています。