覚悟の瞬間(とき)

海の子学園 児童養護施設入舟寮 施設長  城村威男
じょうむらたけお

城村威男

和歌山県生まれA型
職業:海の子学園 児童養護施設入舟寮 施設長 
趣味:写真、旅行、知らない土地の探索
座右の銘:チャンスの神様は前髪しかない

中学生の頃にボランティア活動を通して児童養護施設と出会う。和歌山県立耐久高校を卒業後、恩師の薦めで佛教大学へ進学、とてもユニークな先生方に出会い福祉への想いをより強くする。大学では競技スキー部に所属、冬はほとんど雪国で生活。海の子学園就職後はこども支援一筋。現在は施設長としてチームでの児童支援や職員の専門性の強化などに取り組み、アタッチメントに特化したCOS-Pプログラムは導入5年目を迎える。大阪市の連盟では児童の行事や職員研修の担当、また経験を生かして龍谷大学、梅花女子大学等での非常勤講師や子どもの虹情報研修センター他での研修講師など幅広く活動している。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

中学、高校と子ども会のリーダーを経験、その中でキャンプやクリスマス会などの行事を地域の子ども達と楽しんでいました。夏休みなどはほとんど家に帰らず子ども会等のキャンプを回ってキャンプファイヤーなどをしていた記憶があります。オフシーズンはリーダーが集まり研修や老人福祉施設などへボランティア慰問を行っていました。そんな中で児童養護施設と出会い、そこの子ども達とふれあう中で自然と将来の自分の行く道ができあがって行ったように思います。そのため大学も当時の恩師の薦めで、数が少ない中で福祉の勉強が出来るところを選びました。

現在の仕事への想い

幼くしてその人生に重い荷物を背負ってしまった子ども達のケアは大変です。今、施設長になって思うことはただ一つ、職員さんにはこの入舟寮で働いて良かった、仕事に充実感ややりがいを感じてもらいたいと考えています。大人が元気で生き生きとすることで、子ども達への支援の質も向上し、より良い子ども達の生活を保障できると考えるからです。そのためにどんどん勉強して、外の世界の方々とつながり、新しい支援方法の研究や導入に情熱を注いでいます。2023年度は早稲田大学の先生と共同して、児童養護施設では初めての新しい子ども支援のプログラムを立ち上げる準備をしているで、これもぜひとも成功させたいと考えています。

あなたにとって覚悟とは

私にとっての覚悟とは、「自分の信念に対して嘘を付かない事」です。信念を通そうとすることで辛い場面になったり、大切なものを失うことがあるかもしれません。自分自身も傷つくことがあるかもしれません。でも、この仕事で、子ども達と関わるときは決して思いを曲げずに頑張ろうと思っていますし、いままでも「覚悟を持って」そうしてきました。

カッコイイ大人とは?

「決断できる人」です。傍から見ていても「カッコイイ」と感じますし、自分もそうありたいと願っています。私は若い頃は上昇志向も強く、まわりみんながライバルで仕事も自分ではそれなりには出来ていると自負していました。30歳半ばに大先輩をチーフとしたあるプロジェクトに参加させていただきましたが、その方から「城村さん、きみは仕事は出来るけど、仕える心と尊敬する心を知らないね」と言われた事がありました。仕事の上でも少し壁にぶち当たっていた頃なので、なぜかその言葉が心に染み、それからは周りとのコミュニケーション、上司、部下関係なくリスペクトしながら関係を築こうと意識的に行動したことで、仕事の幅や人との関係も大きく広がり、今日に至っていると思います。どんなに知識があっても熱意があっても能力があっても、ひとりで発揮できる力はほんの少しです。仲間を大切にして、チーム力を最大限に引き出しているリーダーは本当の意味で一番「カッコいい」と思います。

今後の展望

この海の子学園という社会福祉法人はまだ歴史も浅く、小さな法人ですが堅実に成長してきました。小さな法人ゆえの弱さもありますが、風通しも良くフットワークも軽いので、若いメンバーとこれからどんどん新しい事業にチャレンジしていけると考えています。来年度、令和5年度には一般の住宅で子ども達が生活ができるようにと国が定めた「地域小規模児童養護施設」の2棟目、3棟目を建てます。そこには施設を出た子ども達の自立を支援する部屋や里親さんの支援を行う場所も一緒に作る予定です、また、先にも触れたように早稲田大学の先生とのコラボも始まっています。私たちの夢はどんどん広がっているので、一緒に夢の実現に向かっていける、新しい力を持った仲間をもっともっと増やしたいと考えています。

若者へのメッセージ

「日本の明るいミライのために」正直、今の時代将来を見通すことは非常に難しいことですが、幸いなことに私は日本の未来を担う子ども達を支援していける立場にあります。子ども達の一人ひとりはすばらしい未来を持っていると思っていて、その未来を少しでも良いものにするために、いま少しだけ手助けが出来ればと日々頑張っています。「社会的養護」という考え方があります、貧困や虐待などで厳しい立場に置かれている子ども達を社会全体で育て、支援する仕組みです。その考え方をもっともっと広げて、すべての子ども達を幸せに、生き生きとして成長出来るように、すべての子ども達が未来に夢を持ちながら育っていけるように、大人が大きく翼を広げて守ってあげられる社会を実現することが「日本の明るい未来へ」繋がっていくと信じています。

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お気に入り

KING SEIKO

父親の持ち物で、わたしが生まれた1962年に作られたものです。60年経ってもしっかりと時を刻んでくれます。

ホイッスル

中学3年生の頃から45年間使ってきた愛用品。子ども会リーダーの全国大会でもチーフとして吹きました。施設に就職してからもキャンプや行事、スポーツ指導でもずいぶんお世話になりました。流石に最近は使うことは無くなりましたが、今の私を築いてくれたもののひとつです。