一般社団法人愛知県介護福祉士会 会長 下山久之
しもやまひさゆき

下山久之

東京都生まれA型
職業: 一般社団法人愛知県介護福祉士会 会長
趣味:スキューバダイビング
座右の銘:在野精神

早稲田大学社会科学部卒業、早稲田大学大学院社会科学研究科政策科学論福祉関係論(修士課程)修了。その後、介護福祉士養成校にて専任講師として勤務。介護福祉士養成の教育と研究に従事。2006年より名古屋文理大学短期大学部介護福祉学科にて勤務後、2012年より同朋大学社会福祉学部にて勤務。2015年6月より一般社団法人愛知県介護福祉士会会長。著書に『介護福祉のための社会学』(弘文堂)『写真でみせる回想法』(弘文堂)など多数。

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来歴

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なぜ今の仕事に?

大学院で政策科学論を学んでいました。その中で特に「福祉関係論」を専攻していましたので、卒業後にはそれまで学んだことを活かせるようにと考え、介護福祉士養成校の教員となりました。介護福祉士養成校の教員として、その地域社会で活躍する介護福祉士を養成していく中で、卒業生たちが働きやすい環境を整える必要があると考え、実際の施設で困っていることを解決するための調査・研究に携わるようになりました。介護福祉士会では、介護福祉現場に関わる実践者からの声、養成校教員からの声、老人福祉施設協議会や老人保健協会等の介護福祉士が就労する機関からの声、そして県や市等の地方自治体からの声を聞き、対話を通した相互理解を進めています。

現在の仕事への想い

忙しい介護現場では、どうしても提供者側の都合が優先される傾向にあります。特に、認知症の人や知的障害のある人や自閉症の人などには、専門職が考えた支援を押し付けてしまう傾向がさらに強くなります。しかし、専門職が考えた支援は、当事者に理解されず、当事者がパニックに陥ることが起きてきます。認知症による行動・心理症状のことをBPSDと言いますが、このような状況はコミュニケーションのずれから生じることが多くあります。コミュニケーションの障害等がある認知症の人や知的障害のある人や自閉症の人の側に立ち、当事者が感じていることを理解する努力を続けた上で支援を行う方がBPSDが減少していきます。「相手の側に立ってみる」という当たり前のことを徹底することにより、介護福祉サービスの質は向上していくことを忘れないようにしていきたいと思います。

あなたにとって覚悟とは

2009年頃からメディアを通して介護福祉に対するネガティブキャンペーンが為されました。これは介護福祉に対する現状を知ってもらおうという意図もあったものの、介護福祉は3K(キツイ・キタナイ・キケン)職場というイメージが出来上がり、介護福祉士養成校を希望する学生が激減していきました。その結果、定員割れを起こした介護福祉士養成校が閉校していくという事態に陥っていきました。私が勤めていた短期大学部介護福祉学科も2012年3月をもって閉科するに至りました。「地道に良い教育をしていれば、分かってもらえる」「介護福祉のやりがいや魅力はある。分かってくれる人はいるはず」という理屈は通用しませんでした。専門職は、自らの専門性を責任をもって発信していく必要があります。それが出来なければ専門職とは言えません。介護福祉士が本当に専門職といえるかどうか?「分かってもらえない」ことに被害者意識を持っているのではなく、自らの専門性に真摯に向かい合っていく覚悟ができた瞬間でした。

カッコイイ大人とは?

理念を大切にしつつも、それを周囲に押し付けない人でありたいと思います。今、現在の目の前の人の姿がすべてではなく、人は変われるし環境の影響をとても受けるものだと思われます。これは認知症の人でも、知的障害を持つ人でも、自閉症の人でもそうです。また現在は、人権意識を持っていない人もそうです。これまでの経験から、今、目の前の姿が作られてきたものの、それがすべてではない。対話や経験を通して人は変わっていくことがある。そのような人間の持つ可能性を信じることが出来、そしてそれを大切に出来る人がカッコイイ大人だと思います。理想の大人は、自分とは異なる立場にある他者を排除しない人ですね。

今後の展望

介護福祉サービスを利用される人の中には、認知症の人や知的障害を持つ人や自閉症の人もいます。一見すると出来ないことが多くあるように見える存在かもしれません。しかし、介護福祉サービスを利用される人は、様々な可能性を秘めている人たちです。また介護福祉職を目指す人々も、一見、地味に見える存在かもしれませんが、人が人を支えるとても大きな意味ある仕事をしています。すぐには分かってもらえない魅力や可能性を大切にし、それをこれまで介護福祉に関心が無かった人たちにもお伝えし、理解の輪を広げていくことに尽力したいと考えています。

若者へのメッセージ

今、日本社会は閉塞感が漂っているように感じられるかもしれません。これまでの経済的成長や努力すれば必ず報われる等の価値観が揺らぎつつある状況ではないでしょうか?そのような中で、さらに将来に夢を持てと言われても…と感じる人もいることでしょう。しかし、これから本当に大切になるのは、一人ひとりのみなさんが自分自身の価値観を確立していくことではないでしょうか。みなさんは、どのような価値観を大切にしていきたいでしょうか?他者との競争に勝つことだけがすべてでしょうか?それとも、どのような人にも可能性があり、どのような存在も脅かされない社会を創造していくことが望ましいでしょうか?根本の価値観の転換が、今、求められています。大変ながらも、未来はこれから創っていくことが出来るものです。

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ダイビングコンピューター

今から25年以上前にダイビングインストラクター資格を取った頃に購入したものです。いろいろな人と潜った履歴を記録してくれています。障害を持っている人と一緒にダイビングに行く時にも使用しています。

ヘルマンハープ

ドイツのヘルマンさんが息子のアンドレアスくんのために作られた楽器です。ダウン症があって楽譜を読むことが難しいアンドレアスくんもこのヘルマンハープであれば、音楽を楽しむことが出来ます。認知症がある人でも一緒に奏でることが出来る素晴らしい楽器です。