大学卒業後、京都の税理士事務所に就職。そこでクライアントだった、今の会社をつくるきっかけになった社長に出会う。すぐに意気投合し、社長の会社で働くことに。はじめは経営企画室からスタートして、後に事業を独立して会社をつくるチャンスをもらい、ネクステムを設立。
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大学卒業後、京都の税理士事務所に就職をしました。当時は税理士を目指していたという訳ではなく、「何か手に職を」という感じで税理士というイメージがありました。私は税理士になりたかった訳ではないので、もちろん試験勉強なんかまともに取り組めませんでした。大原簿記専門学校に通い始めて数か月で幽霊生徒になりましたが、早々にあきらめて、何をしよう?ってなりまして。その時に想ったのは、クライアントである中小企業の経営者のことです。どんな規模の社長でも、闘っているな、カッコイイなって感じてました。経営者と会社のことや事業のことを話している時は、本当に楽しかったです。寝る間も惜しまず、提案資料作りをしてましたね。それから諸々ありまして、今の会社をつくるきっかけになった社長に出会いました。元々クライアントだった会社の社長なんです。一度食事会を開いていただき、すぐに意気投合し、社長の会社で働くことが決まりました。はじめは、経営企画室からスタートして、後に事業を独立して会社をつくるチャンスをいただきました。そこで出来たのが今の会社です。
新しい業界や業際のことを考えるのは好きです。事業と事業の繋がりのようなものを考えて、何かまた新しいサービスが出来ないか?と考えている時が一番ワクワクしますね。業界特有の風習、既成概念を取っ払うには何をしたらいいのか。もちろん良いものであれば踏襲はしますが、そればかりではないので。あとは、それを誰と実現、達成するか。一人でするものより、複数人でする事業の方がよっぽど魅力がありますね。失敗も成功も共有し合いながら進めていく方が、自己成長の幅やスピードがまったく違うと思います。当然、達成感も数倍になるでしょう。弊社の従業員にもそう感じて動いてもらえれば、日々もっと楽しくなるのかな?と思います。
サラリーマン時代でも、事業・経営をしていく上でも沢山の失敗をしてきました。ほとんどの失敗は、自身の過信や怠慢からくるものでした。特には、多角事業を進めていく中で、収支サイトが合わず、資金がショートしかけた時が一番印象に残ってます。毎日、毎月資金繰りに追われ、当時、3年前ですが、必死に資金調達していたことを思い出します。精神的にも当時が一番しんどかった時ですね。そんな中でも、自分の良い部分なのか、悪い部分なのか分かりませんが、「まぁ、何とかなる・・・」と言い聞かせながら、次のアクションを考えて動いていました。心が折れることがない、というか。結局どうにかなった部分と、どうにもならなかった部分もありましたが、周りに助けられ、何とか凌ぎ切ることができました。その後は、同じ轍を踏まないように日々の経営観(とくに資金繰りについて)が変わりました。そんな経験の中で感じたのは、経営者にとっての覚悟とは、最後の部分で完全に責任を負えるか、ということかなと思います。
昔からになりますが、「何かを産み出している」人に強いあこがれがあります。それは、料理人が料理を作るでもいいですし、小説家がまた新しい作品を創作しているでもいいです。その出来上がった何かの責任は、すべて自身で負うという。自己から何かを産み出して他者に問いかける。「これが私ですが、あなたはどうですか?」みたいな。他者に問いかけるって、自己の存在確認とか承認欲求みたいな側面がほとんどですが、本当にいいものって周りに影響を与えることで、また新しい何かを創造・派生していく基になるものだと思います。それが、ホンモノかホンモノじゃないかの境目なのかなと。私は、ホンモノを創造できる大人になりたいですね。
私の夢は、具体的ではないのですが、20歳ぐらいの時に考えていたことと変わりはありません。「つくる」と「カタチ」の実現です。どういうことかというと「つくる」は、そのまま何かを産み出すという行為のことです。自分から湧き上がるものを表現することの欲求に、今でも魅了されています。「カタチ」は、その表現方法のことです。「カタチ」は無限にあります。例えば、野菜をつくるカタチ、自転車をデザインするカタチ、新しい便利グッズを考案するカタチ、などなど。何にでも可能性はあります。ただし、自身の中では、何でもいいわけではありません。自分のやりたいことと、できること、には常に差異があるからです。何でもいいんだったら、きっとシンガーソングライターを選んでます。とうの昔にあきらめてしまいましたが笑。「つくる」はいつでもその気持ちさえあれば出来ます。今は会社が一つ、それでもあります。しかし、納得いく「カタチ」が見つかるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。それが「つくる」と「カタチ」の実現の意味です。
若者へ、なんて大きなことは言えませんが、私が通っていた大学の先生に教えていただいたことで印象深い話があります。インドの首輪でつながれた象の話です。象は大きくて人間よりも力があるのに、首輪からチェーンを杭に打ちつけられているだけで、逃げようとしない。逃げられる力があるのに。なぜか。象は賢いので、逃げることでケガをしたり、人間に何かされるんじゃないかと考え、そのままでいるんだ、ということでした。これは、自身にも言えることだなと思いました。何か新しいことをする時に、出来ない理由ばかり並べてないか?それで怖くなって、結果、何もしていないんじゃないか?首輪でつながれた象になっていないか?と考えるようになりました。自身ができることは、自身が思っているよりももっと大きいんだと信じるようになったきっかけです。何か思い悩んだ時には、このことを思い出してみるのもいいかもしれません。
大瀧詠一さんのレコードです。シンガーソングライターを目指していたときに購入しました。大瀧詠一さんの唯一無二の世界観が好きでずっと大切にしています。
休日などによく見る、エレファントカシマシのドキュメンタリーフィルムです。