千葉県立保健医療大学健康科学部リハビリテーション学専攻卒業後、理学療法士として整形外科やスポーツ現場で10年以上の実績を積む。出産を機に妊娠期、産後の支援に注力し、マタニティトレーニング事業「Circle」を設立。あわせて、アスリートやチームへのパフォーマンスサポートも展開し、現在はそれぞれの専門領域でオンラインプログラムや研修、講演を通じた支援を行っている。
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医療の現場で理学療法士として働く中で、常に感じていたのは「医療と現場の間にあるギャップ」でした。妊娠中の医師の指導と、実際に日常を生きる女性たちのリアル。スポーツの分野でも、医療者の支援と選手や指導者の捉え方との間に「ギャップ」を感じてきました。その中で私が目指したのは、知識や正論を届けるだけでなく、「その人自身が気づき、選び、動けるようになるサポート」です。その橋渡しをしたく、独立を決意し、「Circle」を立ち上げました。
仕事をする上で大切にしているのは、まず自分自身が「今できる最善を尽くすこと」です。その上で、医療と現場をつなぐ存在として、専門的な知識をただ伝えるのではなく、クライアントが自分の生活や行動に落とし込めるよう、わかりやすく伝える工夫を常に意識しています。また、医療的な提案も一方的に押し付けるのではなく、選択肢として提示し、最終的にクライアント自身が「自分で選ぶ」ことを尊重しています。そして、目の前の人が本当にどうなりたいのかに気づけるよう、寄り添いながらサポートすることを信念としています。
私には2人の子どもがいますが、1人目を出産した直後に離婚を経験しました。そのとき、世の中で言われる「安定」や「正解」にしがみつくのではなく、自分はどう生きたいのか、何に使命を感じるのかを本気で問い直しました。そして出した答えは、自分の信じる使命を持てる力でやり尽くし、その対価として「ありがとう」と一緒にお金をいただくこと。それは、たとえ一人親であっても、子どもたちに胸を張って見せられる生き方だと思えた瞬間でした。その覚悟を決めさせてくれたのは、間違いなく、我が子の存在です。20代の頃出産によってキャリアは断絶されるものと思っていましたが、今では出産のおかげで生き方がブラッシュアップされたと感じています。
私が思う「かっこいい大人」とは、自分の人生を他人任せにせず、選択の自由という責任を引き受けて生きている人です。誰かの期待や世間の価値観に流されるのではなく、自分の信念や良心に従って、迷いながらも決断し、行動している姿にこそ美しさがあると思います。完璧じゃなくてもいいのです。不安や葛藤があっても、それでも自分で選んだ道を、自分の足で歩こうとするその背中に、子どもたちや誰かが勇気をもらうのだと思います。かっこいいとは、強さじゃなくて、自分と真摯に向き合い続ける覚悟だと私は信じています。
私の夢は、今行っている事業をただ拡大することではなく、「妊娠」や「スポーツ」が人生の可能性を狭めるものではなく、むしろ広げるきっかけになるということを、より多くの人に伝えていくことです。マタニティトレーニングという支援が、特別な人だけのものではなく、どんな妊婦さんにも当たり前に届く世の中になってほしいです。その実現が、女性たちが自分らしく生きるための選択肢を広げ、人生をポジティブに切り拓く力になると信じています。また、スポーツの現場では、選手たちが自分の強みや本来の力を引き出せるような支援を、自分ひとりで届けるのではなく、仲間や専門家たちが必要な人につながる仕組みとして広げていきたいです。私の願いは、「気づきと成長」がもっと自然に、もっと多くの人に届く社会をつくることです。
たくさん失敗してください。失敗しないことが優秀なのではありません。むしろ、失敗したときこそ、人は本当の意味で試され、進化するのです。大きな挫折や悔しさ、乗り越えられそうにない壁を前にしたとき、逃げずに向き合おうとするあなたの姿に、価値があります。うまくいかなくても、何度でも挑み続けてください。その過程で考え、感じ、動くことで、それ自体が「夢を叶えること」「目標を達成すること」です。失敗を恐れず、むしろ失敗こそが最大の成長のチャンスです。それが、未来のあなたの輝きとなり、誰かの勇気になります。あなたには、その力があるということを忘れないでくださいね。
祖父からの出産祝いで選んだ、月をモチーフにした娘の誕生石のネックレス。娘との絆を紡ぎ、私の生き方を伝え受け継いでほしい宝物です。
人生の転機に選んだ愛車「ナナちゃん」と家族が写る写真。私の生き方を映し、娘たちに自分らしく生きる姿を伝える宝物です。