1979年5月生まれ、宮崎県日南市出身。九州大学工学部卒業後、宮崎県庁、厚生労働省を経て、2013年4月に33歳、当時全国2番目の若さで日南市長に就任。2期8年を務め、3期目は出馬せず、2021年4月(41歳)で退任。「日本一組みやすい自治体」「日本の前例は日南が創る」をキャッチコピーに掲げ、民間人の登用や官民連携による地域課題の解決策(商店街や城下町の再生等)を積極的に実行に移し、その行政手腕は全国から注目を集めた。
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まず、「官の立場で自分の能力でやれることはやり切った」と思ったことと、「これ以上は官の立場にいてもできないことが見えてきた」ということです。「1年目に何も変化を起こせない人は何年たっても変化は起こせない。10年経って自分にできないことは何年経っても自分にはできないこと」と考え、市長の仕事をスタートしました。これは私の覚悟であり、8年を終えての私の実感としても、その通りだったと思っています。当時、自分の中の引き出しはほぼ出し尽くした感もありましたし、大きな変化を生むことができないのならば、早い決断をして、次の道に進んだ方が良いと考えました。また、市長の仕事をしながら私の頭にずっとあったのは、「日南という地域が良くなれば良い」という考えでなく、「日本における地方のモデルを構築すること」です。全国の地方に真似されるモデルを創ることが、貢献・使命だという思いでした。『社会を良くする新たな仕組みを構築する』仕事が、やりがいがあると思っています。そしてそれは、官の立場でないとできないわけではなく、むしろ民の立場でないとできないこともたくさんあることを経験してきました。ただ、首長の仕事は時間的拘束が長く、局所的ですが幅広く全てに注力しなければならず、その限界も感じていました。これらのことから、民の立場で、しかも地方を軸足に社会を良い方向に動かしていく挑戦をしていきたいと考えています。
首長を経験したからこその、その職ではできなかったことをやっていきたいと思っています。首長職は非常に幅広く仕事をしなければならず、権限自体はあるのですが、一つ一つの政策に注力するには物理的な限界があるのも事実です。今、注力している仕事の一つに「Data for Social Transformation(仮称)」という組織の立ち上げがあります。医療・介護・貧困など必要経費が増えていく一方で、サステナブルでない日本の社会保障制度を持続可能なものとするべく、課題が発生する前の“事前領域”において、適切な方策を打つための研究機関です。例えば、貧困世帯への支援策として、国の制度や各自治体がそれぞれのやり方で行っているわけですが、どの政策が有効であるか、客観的なデータを基に比較検討ができているかというと、まだまだそのようなことはできていないのが現実です。つまり思い付きや声の大きい人の意見で政策決定されている現実があります。それを打破し、様々なデータを用いて各施策を評価して、エビデンスのある適切な政策を形成していくことを目的としています。首長として仕事をしてきた中で感じていたのが、行政の現場では目の前にある課題の対処療法しかできていない現実でした。その課題の発生自体を抑制することができる方策があれば、予算も人材も、もっと前向きなことに充てることができます。このように、首長を経験したからこそ必要な動くべきことがあると考えています。
その立場にしがみつくことをせず、自分の役割を見極め、その実現に愚直に取り組むことです。『8年って長いと思いますか?短いと思いますか?』同じ仕事で部署を変わらずに8年もやっていたら、「長い」と思うのが普通の感覚じゃないでしょうか?しかし、政治の世界では「2期8年で引退」となったら、短いと思う人も多く、実際に私は「若いのにもったいない」「もっとやってほしい」という声をもらいました。日南市長を2期8年で次の選挙に出ない決断をしたのは、自分自身にある引き出しからは全てを出し切って、これ以上は現状維持にしかならぬと思ったからです。正直、8回も自分で予算案を作り、自分がトップとして動けば、大概のことはできますし、その間にできない人は何年たってもできない人ではないかと思います。そして、担う側も、常に全力を出し切りながら、後悔のない仕事をやり切ること、そう胸に刻みながら仕事をしていくことこそが「覚悟」ではないかと思います。
素敵な勘違いができる人です。「きっとできる」と信じて、周囲の人の意識も変え、本当に実現してしまうことを、「素敵な勘違い」だと表現しました。一度そのような勘違いから奇跡が起きたのが、初めての選挙です。現職や有力者が出馬する中で、私は当初は誰が見ても“泡沫候補”でした。しかし、その出馬に向けて何年も前の20代の頃から政策や選挙の勝ち方研究も含め準備をしていて、自分の中ではやるべきことをやれば勝てると思っていました。結果として当選することができましたが、後から聞くと、一生懸命動いてくれた支援者ですら、「当選はできないだろうけど、一生懸命だから応援してあげよう」だったそうです。しかし、私が当選するためにがむしゃらに邁進する姿を見て、だんだん「ひょっとしたら奇跡が起きるかもしれない」と思ったそうです。ただ、私もそれをいつも出来ているわけではありません。しかし、「実現できる!」と物事を前向きに捉え、周りの仲間を信じて、邁進していくことは大事だと思います。そして、“素敵な勘違い”という言葉に表れているような底抜けの明るさが重要であると思います。そして、その“勘違い”を支える、本人の確たる努力(エビデンス)と、周囲の人に可能性を感じて信じていくことや、その能力を引き出してしまうくらいの底抜けに明るい“素敵なリーダーシップ”を発揮できるようになりたいと思います。
まず、“エビデンスに基づく政策立案がなされること”を日本で当たり前にしていきたいです。次に人材育成事業を行い、全国各地に”始動塾“出身の首長を一人でも多く誕生させたいです。そして、自治体の支援(DX化、公民連携、人材育成など)などを行いながら、“社会を良くするための仕組みづくり”を様々な角度から行っていきたいです。
自分の限界を決めず、あらゆることに関心を持ち、大きな夢を持って頑張ってほしいですね。夢を実現するために、1つ目は物事の定石を身に付け、目の前のことから逃げることなく信頼を積み上げること、2つ目はアンテナを高く持つこと、3つ目は人を巻き込む力を付けること(周囲から応援される人間性を育むこと)の以上3つを身に付けてほしいです。
市長退任後に市内の医療機関の院長から退任を労って贈ってくださったバッグです。その温かい思いと使い勝手の良さで気に入っています。
起業後に新たに買ったスーツです。これまで、政治家然となりがちだった外見を一新するため、仕事でも助けてくださる方からアドバイスを受けて新調しました。とても気に入っています。