私のカクゴ

香川県 知事 浜田恵造
はまだけいぞう

浜田恵造

香川県生まれAB型
職業:香川県 知事
趣味:美術館巡り
座右の銘:着々寸進、洋々万里

1975年東京大学法学部卒業後、大蔵省入省。主計局で農林水産、地方財政予算を担当。山形県庁出向(総務部長)、理財局国債課長、広島国税局長、東海財務局長等を経て地方分権改革推進会議事務局次長、東京税関長。広く地方行財政関係の職務に従事。2008年日本高速道路機構理事。2010年香川県知事選挙当選、現在3期目

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来歴

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なぜ今の仕事に?

大学は法学部でしたが、元々は、文化人類学や文明論に興味がありました。物理学者の佐藤勝彦先生(文化功労者)によると、「我々はどこから来たのか、我々はなにものか、我々はどこへいくのか」というゴーギャンの有名な絵の題が、宇宙物理学の究極の目標とのこと。まさに、そういうものを究明したいという思いは今もありますが、社会に出る際、自分自身、学問よりは実務に向いていると感じ、また、自分が汗をかく仕事が直接、公共のために貢献できる仕事がいいと思い、大蔵省(今の財務省)の門をたたきました。そして、財務省を卒業した後、独立行政法人の役員を経て、2010年に民間企業の経営に携わる話が決まっていたところに、郷土の知事選出馬を色々な方から勧められ、社会に出た時の原点を思い出し、思いきって、郷里と県民のために働きたいと決意したのです。

現在の仕事への想い

知事に就任して、改めて大きな課題だと痛切に感じたのが、人口減少問題です。少子化はいたるところで進行し、私の通っていた地元の高校の入学定員は、半分以下になっていました。高齢化も進行していますが、全体としては、死亡数が出生数を上回り(自然減)、転出数も転入数を上回っているのです(社会減)。2014年には、民間有識者から「消滅市町村」という表現で衝撃的な問題提起がなされましたが、私は2010年の初当選の時から問題意識を持ち、県独自の無利子の奨学金を新設し、卒業後、県内で就職する場合には、一部返還を免除することとしました。さらに、地元空港の国際線の拡充、観光振興による交流人口の増加を図りながら、国に先駆けて「産業成長戦略」を策定し、地場産業の振興による、新しい成長を目指しています。人口減少問題は「今、そこにある危機」であり、その克服が、防災・減災対策と並んで、現在の私の最も重要な仕事です。

あなたにとって覚悟とは

「覚悟」とは、何でしょう?辞書を引くと「困難なことや、危険なことを予想し、それを受け止める心構えをすること」という意味が一番先に出てきて、次に仏教用語で「悟りを開くこと」とあり、さらに、「あきらめること、観念すること」という解説もあります。おそらく、ここでは、最初の意味での話だと思いますが、そういう意味では、今の知事の仕事では、常に「覚悟」をしていると言えます。人口減少問題や防災・減災対策は、「覚悟」なしでは進められません。ただ、もう少し、「その瞬間」ということであれば、やはり、知事選に立候補することを決心した時だと思います。人生の一大岐路に立ち、大いに悩んだものの、最初にも申し上げたように、社会に出た時の「公共のために貢献できる仕事」が一番という原点に立ち戻り、国家・国民のために尽くした国家公務員から、郷里と県民のために力を尽くす知事を目指して、選挙の洗礼を決意したのが「覚悟の瞬間」でした。

カッコイイ大人とは?

普段、あまり考えたことのない話ですね。「どんな大人に憧れているか」という問いでもあるようですが、やはり、全人格的な魅力を持った人ということでしょう。ただ、常に穏やかで、怒るところを見たことがないとか、誰にも分け隔てなく接する、笑顔を絶やさない、といった立派な人は、もちろん尊敬すべきですが、「何で、こうなるの」と、ちょっとぼやきながらも、自分のやりたいこと、やるべきことに全力で取り組んでいる人がカッコイイのではないかと思います。

今後の展望

香川県は「うどん県」と呼ばれていますが、実は、県の本来の観光交流プロモーション向けのキャッチコピーは、「うどん県、それだけじゃない香川県」であり、その「それだけじゃない」ところは何かというと、一つは「アート県」です。2019年は、3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭」の年でした。瀬戸内海に浮かぶ12の島と2つの港を会場に、アートプロジェクト・イベントを展開しました。今後も、世界中から訪れるアートファンに瀬戸内、香川の魅力を満喫していただきたいと考えています。また、香川は、うどん以外の「食」でも、オリーブ牛など、ぜひ、食べてほしい美食の宝庫です。このため、建設当初から新幹線規格で整備されている瀬戸大橋を通る四国の新幹線の実現に取り組むとともに、高松空港等の交通インフラの利便性の向上を推進し、国内外から「選ばれる香川」を目指していきたいと思います。

日本を背負う若者へメッセージ

私は、毎年、新規採用の職員の皆さんに次のようなことを申し上げています。希望に溢れる若者には、ふさわしくないメッセージですが、敢えて、ここでも言いたいのは、一つは、大地震、大災害への備えです。東日本大震災に匹敵する、あるいは上回る南海トラフ地震の今後30年以内の確率は70%から80%程度です。これから新卒で就職する人なら、リタイアするまでには、ほぼ間違いなく発生するのです。大規模な風水害は、もう毎年のように全国各地で発生しており、こうした大災害への覚悟が必要です。もう一つは、国・地方を通ずる財政危機です。現在の財政状況は持続可能ではありません。いかに低金利となっても、マイナス金利となっても、借金の元本は返さなければいけません(おそらくは、今の若者が)。この危機にも覚悟が必要です。「自国通貨建ての債務は心配ない、インフレになれば増税すればいい」と言う人たちには"How dare you"と言いたいですね。その上で、若い人たちには、「着々寸進、洋々万里」という私の好きな言葉を贈ります。

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