覚悟の瞬間(とき)

たかもとホームクリニック 理事長、院長 髙本勝博
タカモトカツヒロ

髙本勝博

福岡県生まれO型
職業:たかもとホームクリニック 理事長、院長
趣味:トライアスロン、ラグビー、映画鑑賞
座右の銘:Not doing,but Being.

産業医科大学を卒業し、同大学麻酔科へ入局。麻酔指導医を取得後、埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター・救急科で救急医として勤務。ドクターヘリ責任者として最前線で活動し、災害時にはDMATとして東日本大震災、ネパール震災時にはJDRの一員として災害現場で活動。そして現在では地域医療の担い手となるべく福岡で在宅訪問救急医を目指している。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

医師になったきっかけは看護師として働いていた母の影響が大きかったと思います。ほぼ母子家庭として育った私を支えてくれた存在であり、自分のためではなく、他人のために働いていました。現在も現役で働いていますが、過剰なほどのお節介焼きです。人に困らされ、悩まされながらも淡々と優しさを与えている姿は尊敬できます。自分にはとても真似はできませんが、医療を目指せばそのようになれると思っていました。また、漠然とした人を助ける仕事への憧れもありました。現在は地域医療を担う立場になりましたが、目の前で人が倒れたときに手を差し伸べる事ができるようになりたいと救急医になることを目標としていました。

現在の仕事への想い

医師になり、手術室での麻酔経験を経て本来の目標であった救急医療に従事していました。救急医といえば、派手で格好良いというイメージをお持ちでしょうか。実際に困難な事例に遭遇し、救命できた際には医師になって良かったと思うことも多くありました。ドクターヘリに搭乗し、アドレナリンを放出しながら現場へ向かうこともありました。救急医療の最前線で約10年間勤務し、医師としてのスキルは高められたと思います。しかし、長くいればいるほど医療の問題点が見えるようになってきました。医師側の説明不足ばかりが攻められるようになり、救急医療は萎縮の方向へと進みました。加えて、死に対する恐怖のためか死という出来事をタブー視する傾向にあると思います。死に対する恐怖は誰しも共通して持つ感覚です。救命のために働いて来ましたが、納得できる死を迎えさせることもまた救命の一部であると信じています。納得できる死とは何かを地域の皆さんとともに考えていくことが今の仕事だと思っています。

あなたにとって覚悟とは

ネパールで発生した大地震の際に国際緊急援助隊の一員として派遣されました。現地でのミッションは医療機能を失った地域に於いて一時的に手術機能を持った医療施設を運営することでした。国外での活動は初めてだったので熱意を持って活動していました。後から考えると、このときに覚悟の瞬間があったと思います。その瞬間は現地で上腕を骨折した子供の骨接合術の麻酔を行っているときでした。本震並みの余震がネパールを襲いました。活動の場はバラビセという谷の地域であり、テントの周辺は崖でした。麻酔の導入後であり、余震を感じたときも、マスクから手を離すことができませんでした。一瞬の恐怖を感じ、マスクを持つ自分の手の握りが強くなったのを覚えています。このとき、何かの出来事に巻き込まれて異国の地で命を落としていたら、家族は悔やんでも悔やみきれなかったでしょう。でも、自分では「あー、自分はこんな仕事をしているんだな、そういえばヘリもいつ落ちるかわからないな」などと軽く考えていました。帰国後は7キロの減量もあり、災害時特有の喪失感(PTSDだと思います)がしばらくありました。何もなかったから言えることかもしれませんが、一瞬の恐怖の瞬間に自分が医師であることを自覚できたこと、これが今後の自分への覚悟の瞬間です。

カッコイイ大人とは?

使命を持っている人です。使命とは文字通り、命すなわち自分の時間を何かのために使うことと故日野原重明先生はおっしゃっています。その何かとは自分のためでも、他人のためでも何でも良いと思います。上手に自分の時間を自分のために無駄なく使っている人をカッコイイと思いますし、他人のために何か使命を持って活動している人をカッコイイと思います。結局、どちらも自分の満足のためだとは思いますが、自分が満足感を得られる手段を知っている人と言うべきかもしれません。

今後に向かって

故郷という意味では、家族を含め自分のホームがどこかが定まらないまま、転々としていました。子供が大きくなっても帰ってくる場所があり、その地域に根付いた生活をしたいと思っています。単純なことですが、地域に根を張り医療を知っている大人として地域に貢献することが目標です。

若者へのメッセージ

クリニックに来る若い患者さんには、自分の体との対話をするように求めています。体が悲鳴をあげるときには必ず何らかの原因があります。日常生活において食事、運動など基本的なことをしっかりと考え、その上でいろんな事にチャレンジし続けて欲しいと思います。

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旭山動物園元園長 小菅正夫

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編集者 見城徹

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脚本家兼演出家 西田大輔

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お気に入り

訪問診療時の鞄

北海道在住時に近くにあった店で買った鞄です。大きく広げられるので器材を収納しやすいです。ちょっと重たいですが・・・

国際緊急援助隊派遣時の帽子

ネパールへの派遣時に被っていた汗臭い帽子です。