覚悟の瞬間(とき)

医療法人フロンティア 理事長 阿部孝彦
あべたかひこ

阿部孝彦

福島県生まれA型
職業:医療法人フロンティア 理事長
趣味:
座右の銘:天祐は常に道を正して待つべし

東京医科歯科大学医学部医学科卒。同大学産婦人科学教室に入局。土浦協同病院、東京都立府中病院(現多摩医療センター)などに勤務。2006年、みどり病院(現あおばウィメンズホスピタル)勤務。2009年前経営者から経営権を譲渡され現職。

来歴

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なぜ今の仕事に?

バブル全盛の1980年代、中学生だったころにテレビでかっこいい車が入っているのを目にしました。当時のその車の価格は8000万円。普通の職業の給料で買える代物でないのは中学生にでもわかりました。「これを買えるようになるには何をしたらいいだろう」と考えてたどり着いたのが開業医です(どこをどう通ってそこにたどりついたかは思い出せません)。ちょうど小さいころに剣道をやっていてけいこでけがをした際に連れていかれた救急病院で、べそかいている僕にやさしく声をかけながら処置をしてくれたかっこいい先生(今考えれば若いDr.の出稼ぎバイトだと思います)のことを思い出しまして、「こういう仕事ならやってみたい」と考えて本気で医師を目指すようになりました。

現在の仕事への想い

医師が相手にするのは心や体に病を持った人間です。たいていの場合は教科書通りの対処をすればいいわけですが、問題は教科書通りにいかない場合です。医師はご本人に「現状を考えると○○と○○という選択肢がありますが、どちらになさいますか?」と答えるわけですが、自分ではなかなか決められない方が大多数です。医師が考えて「この人のためにはこれがいいだろう」という選択よりも「患者本人の意思」が優先される時代ではありますが、それでも「わたしはよくわからないから…。で、先生はどっちがいいと思いますか?」と選択をこちらに委ねようとされる方はたくさんいらっしゃいます。どちらもありだと思うからこちらも複数の選択肢を示しているわけですが、何らかの指針は出してあげないといけません。そこで、「自分の親や子、妻だったらどう考えるだろう」と自問自答します。

あなたにとって覚悟とは

「死ぬ気になれば何でもできる」ということです。今までの人生の中での最も大きな決断は、やはり病院を買い受ける決断です。内情も財務状況もはっきりとわかっていて、勤務しているときには「ここをこうすればもっと業績は上げられる」などといろいろ思うところはありましたが、それでも実行するときには多くの迷いも生じました。すでに妻や子供もいましたので一人だけの選択ではありません。周囲には「本当に大丈夫なのかよく考えた方がいいよ」という人もいて、ますます迷いました。しかし、「大きなリターンを得るためにはそれなりのリスクをとらなければならない。そのリスクもほぼ見えている。だったら勝負に行こうぜ!俺」と呼びかける自分がいて、「すべてが失敗に終わったとしても命以上とられるわけじゃないし、ダメなら振出しに戻ればいいだけだ」と思えるようになり、一般的なサラリーマンの生涯賃金3人分を借り入れる決断をしました。

カッコイイ大人とは?

僕にとってカッコイイ大人とは、「強い人」です。腕っぷしの強さではなく(もちろんそれもあるに越したことはないですが)、誰もが持っている自分の中の弱さに負けない精神的な強さです。そして余裕があること。己に余裕があって、「自分だけよければいい」という楽な方に流されない強さがなければ、誰かのために役に立つことなどできません。オードリー・ヘップバーンの言葉に「二つ手があるということは、一つは自分のために、、一つは人を救うためにあるのです」というのがあります。そんなことが実際にできる人は見ていてかっこいいと思いますし、自分もそうなりたいと思います。

今後に向かって

まずは今の仕事を無事にやり遂げて、自分の子供たちが独立したら、のんびりと過ごしたいと思います。そうなれるまでに、次にやることを考えます。

若者へのメッセージ

30年前から見るとこの国は大体のものが右肩下がりで、なんとなく閉塞感があり、夢も希望も持ちにくい社会なのかもしれません。そして、「昔は若気の至りで済まされたようなことも一発退場で、はみ出しものに対して不寛容な社会だなぁ」と思う社会ではあります。しかしそんな中でも自分の腕一本でのし上がる人はたくさんいます。「夢なきものに理想なし。理想なきものに計画なし。計画なきものに実行なし。実行なきものに成功なし。故に夢なきものに成功なし」と言います。努力が必ずしも報われるわけではありませんが、やらないことには何も始まりません。そして、若いということはたとえ夢を前に挫折したとしてもやり直す時間と体力があるということです。それを無駄にしないでいただきたいと思います。

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ダンスプロデューサー、コリオグラファー 夏まゆみ

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編集者 見城徹

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見城徹

ソムリエ 田崎真也

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田崎真也

お気に入り

トランペットカバー

今愛用しているトランペットの持ち手のカバーです。母からのプレゼントで、着物の生地でできています。母はもともと教師でしたが出産のために退職。その後は臨時で働いていましたが、僕が東京の高校に進学すると決めた時に安定して働くために呉服店に就職して、いまでも働いています。これを見るたびに母の愛情を思います。

ボールペン

病院を買い受けるときに購入したボールペン。それまでは適当にそこにあるものを使っていましたが、「今後はサインする重みが変わってくる」と思い、高価なものではありますが思い切って購入しました。その後重要な契約などのサインは常にこれでしています。