覚悟の瞬間(とき)

国立天文台 副台長 渡部潤一
わたなべじゅんいち

渡部潤一

東京都生まれO型
職業:国立天文台 副台長
趣味:旅、庭いじり
座右の銘:天に星 地に人

天文学者。東京大学理学部卒。理学博士。自然科学研究機構国立天文台広報室長などを経て、現在天文情報センター長、准教授。流星、彗星などの研究の傍ら、講演、執筆、メディア出演や国際天文学連合でも活躍。

オフィシャルサイト

来歴

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幼少~学生時代

1960年生まれというともちろんゲームとかパソコンなどは身の回りにありませんでした。われわれは学研の科学の付録を一生懸命組み立てていた世代で、理科少年が走る道は星、虫、アマチュア無線ぐらいでした。その3つにはどれも手を出してみました。アポロの月着陸などがあって、その中でどれかといえば星に走りつつありました。

天文学に憧れるきっかけ

ある時火星の大接近がありました。火星表面が黄雲(砂嵐)で見えなくなっている、というニュースを聞き、見てみたいと思ったが望遠鏡がありませんでした。そこで、私はお小遣いをためて望遠鏡を買ったのです。お小遣いをためている間、デパートのめがね売り場にある望遠鏡が、売れてしまってなくなるのではないかと心配で、何度も確認に通ったことを覚えています。

印象に残っているエピソード

私が小学校6年生の時(1972年)、「ジャコビニ流星群」というものがありました。大流星雨になると日本中が大騒ぎをしていましたが、その時に流れ星はたった1個も降りませんでした。私も同級生と一緒に、小学校の校庭で観測をしましたがまったく見えませんでした。偉い先生も、「テレビでも今夜は出るって言ってたのに、何で出ないんだろう」とその時にいろいろなものの芽が開いたのだと思います。「教科書に載っていない人間が知らないことがある」と実感した出来事でした。これは面白いと思ったことをきっかけに自分でも何かできるかもしれないと思うようになりました。たとえば流星雨が降る予報が出ていないときに、大出現することもあるのではないか、と。それから流星観測に夢中になると同時に、天文学者になろうと決めました。

覚悟の瞬間

一生懸命勉強して、天文学者のコース(大学院)に入ったころ、この仕事で食べていくのは至難であると思いました。私の専門にしたかった流星や彗星の分野は、天文台にも大学にも同様の研究をしている人がおらず、そのため、別室に呼ばれ「専門を変えないか」と何度か誘われたことがありました。「確かに専門を変えれば、その教授について就職できるかもしれない。だが、目指すことが違う以上は、大樹に依るべきではない」と思って、お誘いを断りました。今思えば、その先生方が私の将来を考えて言ってくれたのだろうと理解できます。しかし、それを断ったこの時はまさに「食えなくてもこの分野を研究したい」と覚悟を決めた瞬間であったと言えるでしょう。

今後の目標

自分があるいは自分の関連研究者のチームで研究を進めるだけでなく、多くの人が天文学のおもしろさを知ってほしいと思い、広報普及活動を開始してすでに16年がたちました。その方面ではなかなかキャリアは成りにくいですが、今後日本が科学・技術立国であるための後進を育て、科学を日本の文化として根付かせる一翼を担いたいと思っています。「既存の答えが答えじゃない」ということを多くの人に気づいて欲しいですね。科学における発見の感動感激興奮を、多くの人と共有するために自分に何ができるか、考えて情報発信をしていくことが目標です。

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天文手帳

日本の出版社が出している唯一の天文用の手帳で、毎日の日の出・日の入り、月齢だけでなく、さまざまな天文現象が掲載されている他、天文に関する基礎データ表や星座早見までついています。