私のカクゴ

小説家 湊かなえ
みなとかなえ

湊かなえ

広島県生まれ
職業:小説家
趣味:登山
座右の銘:一期一会

1973年広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。2005年、第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選、07年、第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同じ年、第29回小説推理新人賞を「聖職者」で受賞。08年、「聖職者」を第一章に、その後の顛末までを描いた長篇小説『告白』を刊行。同作が2008年週刊文春ミステリーベスト10第1位、第6回本屋大賞を受賞する。「告白」は2010年6月、松たか子主演で映画公開。ドラマ「リバース」も放映開始され、多くの大ヒット作を生み出す。

オフィシャルサイト

来歴

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なぜ今の仕事に?

子供の頃から母親とデパートで買い物をする時、「ここに座って待ってて。」と言われたら、その時間を使ってずっと物語を考えたり、絵本の続きを考えたり、一所に立ち止まり、物語を空想することが大好きでした。その物語を、文章で形にする楽しさを知ったことがきっかけです。ミステリー小説の作品にしたのは、トンガに2年間いた時、とても日本語が恋しくなり、日本にいる時よりもその2年間はよりたくさんの本を読んでいました。その中に、東野圭吾さんや宮部みゆきさん等ミステリー作家の方の作品があって、「自分はミステリーが好きなんだ」と改めて感じました。その想いが今の何か書きたい、という気持ちの原動力です。

現在の仕事への想い

本当に、苦しい時が8割9割です。ただ、その残りの1割に、「きたっ!」と思える瞬間がくるので、その瞬間を味わいたくて、頑張っているのかなと思います。その時はもう、キーボードを打つ手が追い付かないくらい、湧き上がる物語を一言一句取りこぼさないように必死で、句読点を打ったり、漢字に変換する余裕もありません。ドーパミンが湧き出る感じですかね。ランナーズハイではありませんが、ライターズハイのような。この「キタ!」という瞬間は一作に一度、あるかないかというところですね。ただ、この感覚がこないからその作品はよくない、というとそうではなくて、こない作品は、その分試行錯誤しながら書いているので、また違う深みがあると思います。

あなたにとって覚悟とは

デビューして一番忙しくなった時に、「家族か、仕事か、どちらかを選択しなければならないと突きつけられた瞬間」です。大事なのは家族。その答えをすぐに出せたことが、次へ繋がったと思います。家族は本名の世界の人たちなので、「湊かなえ」に巻き込んではいけないと思っています。「湊かなえ」がもっと売れるために、家族の話しをしたらうけるのかとか、家族と一緒にテレビに出たらいいのかとか、そういった話もありますけれど、家族を「湊かなえ」の世界に引き込んでしまうと一緒に倒れてしまうかもしれないでしょう。ですので、家族と仕事の線引きはしっかりしないといけないと考えています。我が家ってイイ感じの無関心なんです。深く干渉はしないけれど、傍で見守ってくれています。だから私も今の仕事を頑張れるんです。

カッコイイ大人とは?

「自分が正しいと思うことに突き進んでいける人」ですかね。そうなりたいと思うけど、いい人とか、カッコイイ人と思われたいと思う自分もいます。そんな事を考えているうちは、私はまだまだなんだと感じます。私の作品は、かっこいいヒーローやかわいいヒロインはあまり出てこなくて、自分の中にある、黒い感情を探して、その黒い塊を取り出し、今度はそれを大きく増やしていき、「こんな感情がでてきた!」って。そのような感情は、皆さん隠していても、どこかでもっているのではないでしょうか?そう思いながら、登場人物を描いています。

今後に向かって

本が好きな方々とお話しをしていると、どんどん自分の中で、「もっと喜んでもらえる話を書きたい」とか、「こんなに待ってくれている人がいる」「こんな読み方をしてくれている人がいるんだ」とか、その想いが次の作品に繋がると思うので、本を好きな多くの方から、パワーをもらって、また次の10年に繋げて、続けていきたいなと思っています。今までの作品には、シリーズ物がないので、一つそういった、多くの人に愛されるキャラクターが事件を解決して…というような話をかけたら、また新しい扉が開けるんじゃないか、と思っています。

若者へのメッセージ

「こんなのはなれないんじゃないか…」と思っている世界というのは、そこにいけると信じている人の方が、周りから気持ち悪く思われたり、できるわけないとか思われたりするんじゃ…とか、そんな声を気にしてしまうんですよね。でもそこで飛ぶのをやめたのでは本当に飛べないので、夢をもっている方は「自分はこうなりたいのだ」というその夢を堂々と口に出して、ひたすらにまっすぐ突き進んでいってください。

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お気に入り

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小鳥のグッズが好きで、デビュー時より愛用しているものです。魔除けの効果があるかもと、いつもカバンに入れています。

ブローチ

昨年亡くなった愛猫マロンの毛を入れたブローチを友人が作ってくれました。47都道府県サイン会に持参しています。