覚悟の瞬間(とき)

海洋生物学者 佐藤克文
さとうかつふみ

佐藤克文

宮城県生まれB型
職業:海洋生物学者
趣味:釣り、バーベキュー
座右の銘:うまくいくまでやめない

1995年京都大学学位(農学)取得。日本学術振興会特別研究員を経て、1997年より国立極地研究所助手。2004年より東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター准教授。2014年1月より同研究所行動生態計測分野教授。著書に「巨大翼竜は飛べたのか」(平凡社新書)、サボり上手な動物たち(岩波科学ライブラリー)など。

オフィシャルサイト

来歴

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幼少~学生時代

物心つく前は、ありがちですが昆虫や恐竜が大好きでした。小学校4年から釣りを始めました。漫画「釣りキチ三平」と畑正憲さんのムツゴロウシリーズは当時の座右の書。小学校卒業アルバムに記した将来の夢は、「島を買って野生動物を守る」。結果的に「無人島で野生動物を調べる」ことや「出張で海に釣りに行くこと」が職業となり、翼竜に関する本も出すことができたので、これまでの半生は予想以上に上出来だったと思います。

現在の道へ進んだきっかけ

趣味の釣りがやがて淡水魚飼育に発展し、魚の研究をしたくて大学は水産学科に進みました。でも、あまり勉強せず、サッカーに明け暮れました。体育会系のクラブに所属し、サッカーだけに費やした4年を過ごしてから、大学院に進みました。対象とした動物は、なぜか魚ではなくウミガメ。毎晩砂浜を10km程歩いてパトロールする調査では、サッカーで培った体力が大いに役立ちました。頭脳だけでは先輩や同期、後輩にすらとてもかなわないと感じていましたが、体力や精神力も含めた持久力で勝負できる研究分野があることを知り、現在の道に進みました。

覚悟の瞬間

2000年にアメリカの南極基地に滞在しながらウェッデルアザラシ調査をしたときのこと。潜水中の遊泳行動を測定できる加速度計やアザラシの目線の映像を撮影する小型カメラをアザラシに取り付けましたが、ちっとも水の中に潜ってくれません。おまけに、同行していた大学院生に事故で怪我をさせてしまいました。調査を中断して帰国するか、一人現地に残って調査を続けるかで悩みましたが、結局後者を選択しました。やがてアザラシは餌を捕るために深い潜水をするようになり、当時世界最先端のデータを取ってくることができました。大学院生も学位を取得できたし、私も出世作となる論文をいくつか書けました。

今後の目標

地球上に生息する、ありとあらゆる動物に記録装置を付けてデータを取ってみたいです。それと同時に、私たちの発見したことや、こんな素晴らしい職業があるということを、世の中の人々、特に若い皆さんに伝えたいと思っています。手段は選びません。本や講演とかだけでなく、漫画やゲーム、おもちゃなど、ありとあらゆる可能性を模索しています。動物に興味を持つ子どもは沢山いると思います。でも、大人になるにしたがって、誇張されすぎた現実を聞かされ続け、一人また一人とあきらめていってしまう。動物の謎を調べることを職業にできるということさえ伝われば、次々に優秀な若手がこの世界に飛び込んできてくれると思っています。

日本のアカルイ未来のために

野生動物研究はうまくいかないことばかり。最初の試みは大抵失敗します。ときには運が悪くてうまくいかないこともあるでしょう。でも、そんなときでも、何か自分に落ち度があったのではないかと真摯に反省し、いつでもあと一歩努力すればうまくいくのではないかと思いながらしつこく何度でもトライする。すると、不思議なことに本当にうまくいくのです。まずは何か小さな目標に向かって努力してみてはどうでしょう。その努力が報われるというプチ成功体験が、次もまたもっと頑張ってみようという気にさせてくれます。

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米国NPO法人コペルニク 共同創設者・CEO  中村俊裕

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水中写真家 古見きゅう

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古見きゅう

お気に入り

防水テープ

ペンギンやオオミズナギドリなど、海鳥に記録計を取り付けるとき、このテープを使って羽毛に巻き付けるように付けます。他にも色々試してみたのですが、このテサテープだけが唯一使えることが分かりました。調査が終わってテープをはがせば、跡が残らないので鳥にとっても負担が小さいようです。

新潟大空襲の後、祖父が焼け跡から見つけた鋏です。父を経由して私の手元に来てからは、岩手県大槌町にある研究室で愛用してました。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う津波で流されましたが、瓦礫の中から再び見つけ出しました。研ぎに出すと、また元の切れ味がよみがえり、引き続き研究室で愛用しています。